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明石市などに環境保全優良表彰  近畿運輸局
 近畿運輸局は9月2日、交通関係環境保全優良事業者局長表彰の表彰式を開き、ヤマト運輸と京福電気鉄道の「路面電車を利用した低炭素型集配システム構築」、築野運輸(和歌山県伊都郡かつらぎ町)の「トラック大型化による効率的な輸送」、明石市の「官民一体となった公共交通利用促進による環境負荷軽減」が表彰を受けた。
 ヤマト運輸と京福電鉄は、物流ターミナルと営業所間の輸送に路面電車を利用した集配システムを構築して環境負荷を軽減。出発駅で積み込んだ集配用コンテナ搭載台車を各駅で降ろし、セールスドライバーがそのままリヤカー付き電動自転車で集配業務を行うことで、二酸化炭素(CO2)排出量を年間約7.5トン削減した。
 築野運輸では、輸送手段を10トンタンクローリー車から20トンタンクコンテナ積みトレーラーにシフトし、一度の輸送量を増やす一方、運行回数は減らすことで省エネルギー化を実現。2007年と比べて軽油を年間約65kl減量したほか、CO2排出量も年間約169トン削減させた。
 明石市の取り組みは、バス事業者と企業が連携し、工業団地の従業員の通勤手段をマイカーからバスへ切り替える活動を実施。路線バス増便の社会実験やエコ通勤推進組織の設置、バス利用者への特典付与などを行った結果、2010年度比で利用者が1日平均約175人(65.2%)増加し、年間約51.4%のCO2排出量削減効果があった。
 表彰式では、兵庫県立大学経済学部の兒山真也准教授が「持続可能な交通の考え方と取り組み」をテーマに記念講演。近畿大学の斎藤峻彦名誉教授をコーディネーター、甲南大学経営学部の長坂悦敬教授をコメンテーターに、受賞者によるパネルディスカッションも行われた。