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姫路三菱がi‐MiEV展示 村沢教授が展望を披露 (2/2)
 同講演内容に合わせて、展示要請を受けたものだが、屋内講演会場に車が走る場面は、かつて見たことがない。姫路三菱は車体への「姫路三菱バージョンのシール」でアピール。リース導入した一般企業も「環境にやさしい」を目に訴えるため車体にそれぞれのシールを貼るという。

 講師は、環境関係でテレビ出演も多い、村沢義久東京大学サステイナビリティ特任教授。村沢教授も会場に入るとすぐi‐MiEVに近寄り、機構を覗き込んでいた。

 Sustainabilityは「維持する」の意で持続可能な社会に向けての学問。社会の環境志向が強まると共に、製品も様変わりすることから「新たなビジネスチャンスを見つけてほしい」と企画され、参加者は自動車関連部品メーカー、建材・建築会社が多く、自動車関係では姫路合同貨物自動車(株)、神姫産業(株)やムツミ商事(株)、ハクロタイヤ商会、関西電装機器(株)らも見受けた。

 冒頭、齋木俊次郎姫路商工会議所副会頭は「昨秋から急低下した経済は、着実に構造変化を起こしている。ガソリン車から電気自動車へ変われば、当然部品も変わる。参考にしていただくため合計3回の講演を開く」と挨拶。

 村沢教授は「この部屋で2度上がっても、さほど感じないが、マイナス1度から2度上がると氷がとける、それほど温暖化の影響は大きい。変化の時代は、待っていてもダメ、想像力を使って先を読む必要がある」「民主党のCO2排出25%減で騒ぐのは小さい。今年のG8で2050年先進国全体の80%削減が合意された。しかし、削減しようとするから難しい。20%は鉄鋼やセメントなどで使わざるを得ない。ゼロエミッション社会にすればよい。燃やさないで走る電気自動車、燃やさないで発電するソーラー発電など」

 「電気自動車の部品点数は10〜33%になる大革命だが、チャンスもあれば危機もある」「自動車メーカーは『ビッグスリー』から『スモールハンドレット』になり、米国シリコンバレーなどで続々誕生している」と述べたことへの質問に答えて「米国と中国でスモールハンドレットは誕生するが、日本はメーカーを増やさない方針。政権が変わったのを機に、方針を変えてもらいたい。従来のピラミッド型から水平分業へと変わり、部品メーカーらは自動車メーカーと対等になる」。また「サハラ砂漠の10%の面積で世界の電力が賄える」太陽光大規模発電など紹介し「すべて現在の技術で出来る」と。

 一方、水素燃料電池車、風力発電は、将来性に乏しいとの見解だった。