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KDL、「関係性エンジン」の提供を開始 、京大らと開発
株式会社 神戸デジタル・ラボ(代表取締役:永吉一郎、本社:神戸市、以下 KDL)は、京都大学大学院情報学研究科 新熊亮一准教授(以下、新熊准教授)らとともに研究開発を進めている「関係性技術(*1)」のサービス化に向け、本技術を具現化した「関係性エンジン」を開発、モバイルソーシャライズシステムフォーラム(以下、MSSF)の参加団体向けにライセンス契約による提供を開始した。
「関係性エンジン」を導入することで、既に蓄積されているデータを最大限に利用したサービスの開発に企業や団体が着手できるようになる。

社会におけるデータ量は日々増大し、膨大な情報から迅速に情報を取り出すための手法が研究されているが、現在蓄積されているデータの中で活用されているものはごく一部であり、また活用する場合においても、目的やツールに応じて利用できない部分を除去する必要があった。
現在は利用されていないこれらのデータにも人の行動やモノの流通が多種多様な形で埋め込まれていると考えられるが、現状では蓄積はされているが利用されていないデータが大量に存在している状況だ。また、従来の技術で有益な情報を取り出すためには、データマイニングやマーケティングなどの高度なスキルと知識が必要だった。
これらの課題に対し、KDL は 2010 年より新熊准教授らとともに、あらゆるデータから価値のある情報を自動的に取捨選択し活用する技術として「関係性技術」の研究に取り組んできた。

「関係性エンジン」とは、様々なデータが持つ各要素間の接点から、つながりの強さとその変化を定量化する基盤システムで、最大の特徴は、断続的なデータや、人が解釈できないデータを含むあらゆるデータを、同エンジンが定める唯一のフォーマットに整形するだけで活用できることだ。
これにより、データの緻密な加工が不要となるだけでなく、これまで活用してこなかった様々なデータを融合するなど、蓄積データを余すことなく利用できるようになる。評価には、要素間(例:人と人、商品と人、場所と商品など)の近さ、遠さや類似度など、直観的で理解しやすい指標を用いるため、情報を扱う人のスキルに依存せず誰でも関係性エンジンを使ったサービス開発が行える。また、従来の統計処理とは異なり、つながりを辿ることで過去には接点がなかったが潜在的に近いものなど、新たな関係性をも発見できる。

同システムは、モバイルソーシャライズシステムフォーラム内で、参加団体に対して有償ライセンス契約による提供となり、引き続き研究開発を進め高性能化するとともに、平成26年度中の導入目標を5件に定め、フォーラム参加団体の導入を通じ、平成26年度中にサービス化を目指す。


モバイルソーシャライズシステム公式 Web サイト
http://mssf.jp/


*1 関係性技術
さまざまなデータベースや端末に蓄積されている多様なデータを元に、人・モノ・場所などの関係性を定量化し、距離感、一般性、信頼性などからモノゴトの成長性や関心度を予測する技術。新熊准教授が発案し、KDL などが開発している。2013 年 5 月には、モノの成長性を予測する実験で 80%の的中を実証した。