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兵ト協 「第6回環境と物流を考えるフォーラム」を開催
兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は20日、「平成26年度(第6回)環境と物流を考えるフォーラム」(共催:近畿スマートエコ・ロジ協議会)を開催した。
福永会長は主催者あいさつで「6回目を迎え、続けられたことに感謝したい。交通事故・労働災害の防止、環境保全に努めることは大変厳しい状態である。15年前を思うと車両価格は倍、燃料は3倍になっている。正直申し上げて生きていることがすばらしい。よく生きてこられたと思うと同時に皆さんに敬意を表したい。本日のフォーラムで環境を考え、皆さんの声を集約して、社会が求めるものを追求しながら事業を推進してまいりたい」と協力を求めた。

基調講演は、塩路昌宏・京都大学大学院エネルギー科学研究科科長が「次世代トラックの展望〜エンジンシステム技術の現状と将来〜」と題して、また前嶋光徳・近運局自動車交通部貨物課長は「天然ガストラックの推進に関する国の動き」と題し講演、さらに事業者参加型エコプロジェクト本年度の実験結果報告を秋田直也・神戸大学大学院海事科学研究科准教授が取りまとめた。
塩路氏はディーゼルエンジン車の代替として、「天然ガス車はオクタン価も高くトラック向き」としつつ、燃料供給インフラの整備が重要とした。燃料電池車はコストダウンの難しさを指摘、特に触媒用白金の資源制約を問題視した。

秋田氏は「今年度の取り組みで(1)燃費計測 (2)エコドライブ・チェックシート (3)集計表の3様式でデータ収集した。「参加は低調。一方参加事業所は効果が得られることが確認。目標値に迫る結果がある。今後の課題は参加することのメリットを作る。裾野の拡大、社会への発信内容の検討」など報告した。
パネル・ディスカッションは、小谷通泰・神戸大学大学院海事研究科教授がコーディネーター、パネラーには入江茂樹・(株)東伸産業常務、亀田昌廣・柳原運輸(株)社長、宮崎経吉・(株)ユーパワーロジ常務が、秋田准教授がコメンテーターとなって進行した。
パネラーの発言は、エコプロジェクトの参加が理由では「業界の取り組みに参画」「自社の業界でのポジションを知るため、社会に対する業界の責任を果たすことで求人にも影響すると考えた」とも。
参加しての効果は「効果があった燃費は改善して目に見える成果があり日々のチェックが重要。エコから安全運転につながる」(亀岡氏)。「燃費は車両カタログ値に近く良いレベルにあることを確認出来た」(入江氏)。「基本は環境より交通安全のほうに目が向いていた。安全を気付いたらエコだった」(宮崎氏)。
今後の課題は「インセンティブがないとしんどい」(宮崎氏)「ソフト部分で操作の改善を」(亀田氏)「乗務員が取り組みやすいモノに」(入江氏)の要望もあった。
小谷氏はまとめで「エコプロジェクトは、安全、経済(燃費)、エコの三位一体で同じ方向かと思う。見える化は燃料しかないと思う。データの活用、読み方の工夫、さらに背のびしないで継続することが大切で様式の改善に余地もある。事務局の責任と裾野を拡げることも。データの集約だけでなく社会へのフィールドバックが重要かと考える」と課題を述べた。