自動車ニュース
年頭所感―兵庫県警察本部 交通部長 一丸 武彦

「安全・安心・快適な交通社会の実現を目指して」


兵庫県警察本部 交通部長 一丸 武彦

新年明けましておめでとうございます。
皆様には、ご家族ともども穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、旧年中の兵庫県内における交通事故死者数は、秋口まで大幅な減少傾向を示しておりましたが、10月中旬以降に重大事故が連続発生し、11月には平成19年以来約7年ぶりとなる「交通死亡事故多発警報」が発令される事態となりました。

全事故死者数のうち半数以上が65歳以上の高齢者で、その多くは歩行中、特に道路横断中に発生しております。

飲酒運転等の悪質違反が関係する重大交通事故も一昨年に比べて倍増しており、危険ドラッグ使用による事故が新たな問題としてクローズアップされるなど、交通事故は、県民の皆様の安全を脅かす大きな不安要因となっております。

また自転車は、幅広い年齢層の方が日常的に利用する手軽で、便利な交通手段でありますが、その一方で、自転車が関係する人身交通事故が、全体の2割を超える高い水準で発生し、自転車が歩行者に衝突する人身事故も発生しているところであり、自転車の安全利用促進も喫緊の課題となっております。

県警察といたしましては、悲惨な交通事故を1件でも減らすため、本年も、高齢者に対する安全教育等の交通事故防止対策を推進し、高齢者以外の世代の方々に対しでも、加齢による身体機能の低下等の高齢者の特性を周知することで、「社会全体で高齢者を交通事故から守る」という気運の醸成に努めてまいります。

また、悪質交通違反に対する取締りを強化するとともに、道路交通法の一部を改正する法律の施行に伴い、悪質な自転車運転者に対する講習制度も始まりますことから、自転車利用者に「自転車は車両」であるとの意識の更なる周知徹底に向けて、自転車利用時の交通ルール遵守のための諸対策を引き続き推進してまいりますが、皆様におかれましても、車道を走行する自転車の安全確保について、より一層のご配慮をいただきたいと思います。今後、交通事故を更に減少させるために最も重要なのは、県民一人ひとりが「交通事故は身近で大きな問題」 と捉え、安全意識を高めていくことであります。

皆様方には、交通ルールを遵守し、全席シートベルトの着用の徹底や、高齢歩行者などに対する思いやりを持った優しい運転など、安全運転に努めていただきますようお願い申し上げます。

また、職場や地域、ご家庭で交通安全について話し合い、交通安全意識の高揚に努めるなど、「安全・安心・快適な交通社会の実現」に向けた、なお一層のご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

最後になりましたが、本年が皆様方にとりまして幸多き年になりますことを心から祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。