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年頭所感ー一般社団法人兵庫県タクシー協会 会長 吉川 紀興 |
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「タクシー事業の適正化・活性化の実現」一般社団法人兵庫県タクシー協会 会長 吉川 紀興 新年あけましておめでとうございます。 平成27年の年頭にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。 昨年は、国土交通省近畿地方整備局及び神戸市との「災害時における緊急輸送等に関する協定」の締結、また、兵庫県警察との「ドライブレコーダー等の映像情報の提供に関する協定」の締結など、公共交通機関としての使命のもと種々の取り組みを行いました。しかしながら、タクシー事業の経営環境については、ここ30年、輸送需要の減少傾向が続き、タクシー車両の供給過剰と乗務員不足、乗務員の労働条件の悪化など危機的な状況におかれています。このため、昨年1月27日、改正特別措置法が施行されることになりましたが、特定地域の指定、タクシー車両の減車など同法の完全実施には至っていません。一日も早い完全実施が求められています。 また、タクシー事業を取り巻く状況は、タクシー業務適正化特別措置法の改正により本年10月1日からタクシー運転者の登録制度が兵庫県下全域において実施されることや、交通政策基本法の制定及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部改正が施行されたことにより、さらには、自家用有償旅客運送等の国から地方公共団体への事務・権限の移譲など、大きく変化しています。 当協会は、タクシー事業を取り巻く大きな状況の変化の中で、会員の皆様とともに、地域におけるタクシーの公共交通機関としての役割を発揮し、タクシー事業の適正化・活性化の実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、本年取り組むべき課題ごとに述べさせていただきます。 輸送の安全確保についてですが、道路交通法の遵守と多発する事故の防止、特に飲酒運転の防止に関しては、乗務員に対する指導と運行管理の徹底を行うとともに、経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制の構築のために運輸安全マネジメントの取り組みを更に推進するとともに、法令遵守を基本においた事業経営になお一層努めてまいります。また、乗務員の労働条件を取り巻く環境が一段と厳しくなっていることから、労働基準法等に基づくタクシー事業経営に努めてまいります。 次に、現在各地域で導入されているコミュニティバス、市町村バス、NPO等による有償運送、また自動車運転代行業についてですが、タクシー利用者が年々減少する状況のもとで、タクシー事業者にとって深刻な問題となっています。各会員の皆様におかれましては、地方公共団体、事業者、住民、地方運輸局等で構成される地域公共交通会議等に積極的に参加し、地域住民の生活交通確保のための協議において、公共交通機関としてのタクシーの役割に関して、地域住民・自治体のご理解が頂けるように、また、地域の交通確保のための提起を積極的に行っていく必要があります。特に、自家用有償旅客運送等の国から地方公共団体への事務・権限の移譲に関しては、タクシーが地域においてなくてはならない公共交通機関であることを踏まえて取り組んでまいります。 次に、タクシー乗務員のお客さまサービスと接客マナーの向上の取り組みについてですが、平成19年から毎年「タクシー乗務員接客コンテスト」を実施し社会的に大きな評価を受けているところですが、本年におきましても本コンテストを実施し、兵庫県におけるタクシー乗務員のお客さまサービス・接客マナー向上の大きな力になるように、さらに取り組みを強めてまいります。特に、近距離のお客さまに対する対応については、タクシーの公共交通機関としての使命の自覚の促進とタクシー需要の掘り起こしの取り組みであることを自覚し、今後とも、お客さまからの様々なご意見・要望に耳を傾けて取り組んでまいります。 また、当協会は、タクシーが地域の交通機関として、あらゆるお客さまのニーズに応えるために、健常者のみならず高齢者や障がい者の皆様の特性を理解し円滑なコミュニケーションを確保するために、平成24年から「ユニバーサルドライバー研修」を実施していますが、本年におきましても兵庫県下全地域において実施してまいります。 次に、年々輸送需要が減少する状況の中で、お客さまの様々なニーズに対応するための取り組みが重要になっていますが、引き続き兵庫県下それぞれの地域において地域の皆様の声をお聴きして各支部とともに事業活動の展開を行ってまいりたいと考えております。 最後に、会員各位の益々のご健勝と事業のご発展をご祈念申し上げますとともに、関係各位の深いご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げまして、年頭にあたってのご挨拶と致します。 一般社団法人兵庫県タクシー協会 会長 吉川 紀興 |