自動車ニュース
年頭所感―(一社)兵庫県自動車整備振興会 会長 橋本 一

「FAINESで正確な点検・整備を」
「情報の伝達と共有化を」
「話しかけによるCS向上を」


一般社団法人兵庫県自動車整備振興会 会長 橋本 一豊
兵庫県自動車整備商工組合 理事長 橋本 一豊

新年明けましておめでとうございます。平成27年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

平成26年度の我が国経済は、政府の財政出動等により円安、株価の上昇がみられ、景気回復が期待される展開となっています。

自動車整備業界では、最新の平成25年調査(平成24年度実績)による総整備売上高が5、42兆円と前年度比+1235億円と2年ぶりに増加しましたが、全体的には平成18年度をピークとした緩やかな減少傾向が続いています。

このような状況の中、国内の保有車両構成は、継続するデフレ経済状況等によるユーザーの生活防衛意識もあり、保有車両の長期化が進み、現状では登録乗用自動車の約4割が車齢9年以上となり、長期的には保有台数の増加が望めないことや、家計支出における整備費用などのクルマ関係支出の抑制傾向など業界を取り巻く環境は引き続き変化してゆくものと思われます。

また、新車の販売面では、ハイブリット車をはじめとする先進環境対応車や軽自動車の占める割合が増加しており、この様な傾向は、今年も進展するものと思われます。

特に、車齢11年以上の車両を使用されているユーザーの故障経験は45%と高い状況にあることから、長期使用車両の安全確保に、より丁寧で必要となる内容を取りまとめた、「業界の推奨する長期使用車両の点検」をユーザーに提案し、安全の喚起を図る取り組みが引き続いて必要となっています。更に技術面では、新車のIT化も加速しており自動車の電子制御装置整備に係る新技術への対応が急務となっています。

次に、「安全・環境」が社会生活で問題となるなか、我が業界においても、安全・安心・環境・快適に対して社会の期待に応えられる、より高度な点検技術やアドバイス技術を習得、対応することが引き続き必要となっています。

特に、急進する車両の電子制御化による新技術への対応については、国土交通省よりスキャンツール普及に向けた取り組みが推進されているところであり、当振興会と致しましても、汎用型スキャンツールの普及や故障診断料金の収受に向け積極的に取り組みます。

一方、最近整備事業者が、商取引のトラブルに巻き込まれる事案が発生していることから、会員を対象とした顧問契約弁護士の活用をしていきます。

さらには、近年自動車整備業界においても、自動車整備士不足が懸念されていますが、依然より当振興会が取り組んでいます「トライヤルウイーク」をさらに高校生などに拡大発展させ業界の社会的使命の周知に努めます。

また、自動車使用者対策として、自動車がより安全で快適となった反面、ユーザーの保守管理意識が希薄化し、2年車検に対する1年点検の定期点検実施率が45%である現状を踏まえ、点検整備の必要性と適正な使用をご理解いただけるよう視聴覚教材の充実を図り、定期点検整備促進運動の一環として実施している点検教室では、クルマ安全教室を開催するなど、会員のご支援ご協力をいただき積極的に実施してまいります

自動車使用者対策としての更なる取組として、昨年2月から施行された車検証備考欄への受検形態の記載措置に伴うユーザー向け啓発や兵庫県警との協定による高齢運転者の交通事故防止に関する啓発活動についても取組み、昨年当振興会が作成した整備士ハンドブック等を活用して「話しかけによるCS向上」を会員の協力を得て展開してゆきます。

兵整商の運営につきましては、オイルなどの工場用品、作業服などの従業員用品や、ヘッドライト・コーティング剤の斡旋等も会員様から評価を得てご愛顧をいただいていることを深く感謝いたしておりとともに、これからも組合員の皆様の経済活動の活性化の一助となることを最大目的としています。引き続き、組合員の皆様のご協力をいただき、優良な作業環境改善商品や低価格部品の供給、また利用の拡大している各種斡旋事業、指導・教育事業を積極的に推進してまいりますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。

本年も以上のような自動車整備業界を取り巻く諸環境を踏まえ、事業承継に関する研修会を開催するなど、将来に向けての新たな経営基盤の確立や継続的な業界繁栄と自動車整備業の社会的地位の向上のための諸事業を積極的に企画し、会員の皆様に必要とされ、頼られる兵整振・兵整商に発展するよう事業展開してまいりたいと存じます。

新しい年が皆様に取りまして良き年となりますように祈念申上げます。