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JAF関西支部 子供を交通事故から守るフォーラム開催
平成26年度のJAF関西交通安全実行委員会(高士雅次委員長)の総会と第17回交通安全フォーラムが開かれた。

開会で高士委員長は道路標識等の改善要望、実行について「警察、道路管理者等の協力で事故防止に努めている」と謝辞を述べて「今回のフォーラムは子供を交通事故から守るをテーマとして、教育、医療、行政の立場から講演して頂き、実現に向け施策をまとめたい」と述べた。

また、JAF本部の永田一彦交通環境部長は「全国で昨年793件の改善要望を受け、72件が改善、本年度はドライブレバーからの190件の要望を受け69件の改善を実行した。本年度は反射板の着用、早めのライト点灯の促進に取り組んでいる」と実態調査を報告して、事故防止の効果を強調した。このあと事業報告、改善結果等について、大阪支部の曽奈均事業部長が報告した。

フォーラムは、矢野円郁氏(神戸女学院人間科学部)が「発達段階を踏まえた交通安全教育」について述べて「子供に罰則より教育が大事。児童期のしつけが必要でどの時期にどのような教育をするかである。自転車のルールはシミュレーターによる教育は効果がある。日常の場面で地域が育てることが良いモデルになる」とした。澤田佳典氏(大阪府教育委員会保険体育課保健総括主査)は、「小学生通学路の安全対策」について、緊急点検実施と今後の安全対策として、教育委員会、道路管理者、警察が連携して市区町村単位の推進体制の構成が重要とした。

長村敏生氏(京都第二赤十字業イン小児科)は医師の立場から「自転車ヘルメット、チャイルドシートの重要性」と題して「0歳〜14歳までの子供の不慮の死(3878名中371名・2013年)」が約1割占め、交通事故(32.1%)、窒息(31.8%)、溺水(22.6%)の3件で86.5%を占める。自動車が50キロで走行中、子どもの体重30倍の力が衝突事故で発生(高さ10mからコンクリートの地面に叩きつけた程度)するため、抱っこでは守れない。チャイルドシートに対する認識はアメリカでは「設置しないのは子供の『虐待』であると社会で受け入れられている」と正しい装着を訴えた。

自転車の子供の事故は6歳未満は本人が3%なのに同乗者(大人)事故79.7%と8割、停車中11.6%で9割以上が同乗車と一緒である。事故で頭部の危害は60%である。ヘルメット着用と大人の同乗の事故防止を訴えた。この後、蓮花一己・帝塚山大学副学長がコーディネイターとなりディスカッションも行われた。