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リサイクル業界の地位向上を示す 小屋自動車工業に小さな見学者
 自動車リサイクル処理業界にとって象徴的となる学校からの見学会が10月16日、三木市の(有)小屋自動車工業(小屋龍二社長)で行われた。かつて「トライやるウイークなどの話がない」と言われてきた業界だけに、見学会の申し入れは、同業界の環境と社会への貢献が認められた証明とも見えた。

 見学に訪れたのは、舞子インターナショナルプリスクールの園児7人と先生3人。

 インフルエンザの影響で園児の参加は半数となったが、リサイクルの現場と「名人芸」を存分に見せ、全員に配ったヘルメットと軍手を贈呈した。

 「以前にも他校から話はあったが、自信がなかった。しかし兵庫県自動車リサイクル処理工業会(桜井日出男会長)の役に就き、業界の社会的地位向上の大切さを痛感した。子供向けのリサイクル説明パンフレットも作成し、今回は引き受けた」という。見せる内容、順路、見学者の安全な立ち位置とカラーコーン設置など綿密に準備し、広く安全な通路が確保されていたのでスムーズに進行した。

 同校の受け入れに当たっては「日本語が通じない子もいる。昼食時に全員で英語の勉強会を続けた。外国人との取引も多いので、今後も役立ってくれると思います」。日ごろから社会的に意義深い仕事であるとの認識を小屋社長から浸透されていることもあり、各現場の社員は臆することなく、明るく丁寧に接し、園児から「ミスター安田サンキュー」など、それぞれの名前でのお礼に、笑顔を絶やさず手を振り応えていた。

 メーンの案内人を別所博美さんが務め、補佐として営業3人がついた。廃油の抜き取り作業、ニブラが電磁石をつかみ鉄の選別作業のあと、エアバッグ破裂作業では大音響の予告に泣き出す子もいた。
 キャリアカーへの積み込み、輸出用コンテナへの積み込みなどでは「はたらく車」を総動員して興味を引きながら見せていた。1台の廃車を1台のニブラで、ワイヤハーネスなど細かく分別し、最後にプレスするまでは、まさに名人芸ともいえ、園児も固唾をのんで見入っていた。

 また、園児の名前をペイントした廃車に、星型やハート型に切り抜いた紙の上からスプレーして装飾を体験。

「落書きでは後が心配なので」と配慮したものだった。最後にペイントした車の前で記念撮影し、全社員が整列して見送った。