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兵タ協、「労務講座」を開催 監査・処分方針と労働契約等 |
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兵庫タクシー協会(吉川紀興会長)は2月3日、兵庫農業会館で労務講座を開いた。 講座は海北祐一・兵庫陸運部首席運輸企画専門官が「一般旅客運送事業の監査方針と行政処分基準」について講演した。海北首席は「監査方針の改正は平成24年8月の関越道での高速ツアーバス事故発生後の同年8月に行った。見直しの方向性は(1)効率的効果的監査 (2)実効性のある行政処分 (3)監査体制の充実―にある。ポイントは端緒情報の把握と悪質・重大な法令違反の当方への速報制度の確立・データ活用分析と端緒の充実です。監査の強化は街頭監査(バス等営業所)、悪質・重大法令違反、効率的な実施の3点で、輸送の安全確保の重要性が基本。監査種類は、特別・一般の臨店と街頭でいずれも無通告。また呼出し監査もある。 監査の重点は、(1)事業計画の遵守状況 (2)運賃・料金収受状況 (3)損害賠償責任保険の加入状況 (4)名義貸し行為 (5)社会保険加入状況 (6)賃金支払い状況 (7)運行管理・整備管理の実施状況」と概要を述べた。 また行政処分の基準改正については「重大・悪質の処分厳格化(事業停止等30日間)、事業停止後の改善なし(許可取消)、記録改ざん当の基準日車の引き上げ、処分日車数は最も重い基準日車数と他の日車数の2分の1加算を廃止、各項目を加算する。点呼・乗務記録記載ミスや運行管理者と整備管理者の選任未届出等軽微な違反は文書警告となる。また運転者の健康起因の事故の重要性、健康管理マニュアルの活用を願っておきたい」とした。質疑の「全部または分割譲渡の場合、違反点数の持ち分は」について、海北氏はAとBの2社に分割した場合、原則その持ち点を両社に。台数に大きく差異の場合は、ケースバイケースで処理」と回答。 前畑一也・社会保険労務士は「タクシー運転者の労働時間・賃金に係る労働基準法・最低賃金法等労働関係法規上の問題点」について講演した。 前畑氏は「労基法のポイントのポイントとして労働条件の書面による明示、労働条件通知書、労働契約書は各1通ずつ持つ。署名と捺印も。休日(週4日以上)は法定休日で休暇とは異なる。「自動車運転者の労働時間等の改善基準」で93号通達(平成元年3月1日付)等は重要。労働契約法は会社と個人(雇用者)の民事的な契約である。労働者への安全配慮、懲戒、解雇の濫用に注意が必要です。その他、過労死等防止対策推進法の施行、不法行為、債務不履行等での損害賠償責任等も発生する」と解説した。 前畑氏は質疑で質問事項 (1)意味のない空走行、客待ちと称した明らかな長時間休憩で仕事から逃げている乗務員の賃金カットは可能か (2)93通達の補償給で最低賃金を尊守していれば問題ないか (3)隔勤者が公休出勤したとき2週間に1日の休みが取れない時、公休出勤できないか (4)事故が多発で会社に多大な損害を与えた運転者の解雇で労基署等はどんな基準で監査するか― の回答として (1)運行記録計、GPSなど使用して、客観的に長時間休憩が証明できれば賃金カットを可能。労働者は職務専念義務があり、指導して治らないのであれば、懲戒の対象を就業規則に明記しておく必要。客観的に休憩時間と証明できるのであれば最賃カットも可能。客待ちで車内で新聞を読んでいても直ちに発進できる状態なら待機時間で労働時間。 (2)全国平均等補償給の計算は、保障給<最低賃金となるので最賃を遵守した方が良い (3)シフト上公休出勤できない日が出てくる。制度的に可能だが、あくまで公休出勤であり3割5分増し賃金の支払い義務が発生する (4)不当解雇かどうかの判断により行うが、事故惹起者であれば指導や適性診断等履歴があるはずで、書類を持って説明すること。裁判に持ち込む場合もあり、会社は一定の基準を就業規則等に記載、運転者に周知しておく必要がある」とした。 |