自動車ニュース
「安全・安心・快適な交通社会」 を目指して
〜春の全国交通安全運動〜
兵庫県警察本部 交通部長 出口 弘也

自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご支援、ご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。

さて、兵庫県内の交通事故情勢でありますが、本年3月末現在の交通事故死者数は45人(昨年同期比+9人)と増加傾向で推移しており、これから人の移動が多くなる行楽期を迎え、重大事故の更なる増加が懸念されるところです。
このような状況下、春の全国交通安全運動が5 月1 1 日から20 日までの1 0 日間実施されます。

本運動では、次代を担う子どもと、交通事故死者数の半数以上を占める高齢者を社会全体で交通事故から守るため、「子どもと高齢者の交通事故防止」を運動の基本とし、運動の重点を、
自転車の安全利用の推進(特に、自転車安全利用五則の周知徹底)
全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
飲酒運転の根絶
夕暮れ時の交通事故防止
として展開されます。

県警察といたしましては、本運動を一つの契機として県民の皆様に交通安全意識を高めていただき、運動の基本として守るべき子どもや高齢者の視線に立った「気配り、目配り」と、思いやりを持った「優しい運転」に心掛けていただくよう呼びかけてまいります。

また、重点の1点目、人身交通事故の2割強を占めている自転車事故の防止対策として、「自転車安全利用五則」 を活用したルールの周知とマナーの徹底、酒酔い運転などの悪質・危険な自転車利用者に対する指導取締り、道路管理者との連携による自転車レーンなどの通行環境の整備を推進するとともに、4月1日に施行されました「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」 により、10月から義務化される自転車の損害賠償保険への加入や、改正道路交通法の一部施行に伴い6月から始まる自転車運転者講習制度についても周知に努めてまいります。

次に、重点の2点目、シートベルト、チャイルドシートの着用に関しましては、昨年の自動車乗車中の事故死者43人中シートベルト非着用の方は18人で、この内の15人の方はシートベルトを着用していれば助かっていたと推測されますことから、全ての座席のシートベルト、チャイルドシートの正しい着用について、引き続きその必要性を訴えた啓発活動、着用指導を推進してまいります。

重点の3点目、飲酒運転の根絶につきましては、お酒を飲んで車両を運転し、悲惨な交通事故を起こす例が後を絶たず、昨年は一昨年に比べ、飲酒運転が関係する交通事故の死者数が10人から18人と2倍近く増加していますことから、飲酒運転に対する取締りを一層強化するとともに、ハンドルキーパー運動、広報啓発活動を推進し、皆様とともに飲酒運転の追放気運を高めてまいります。

そして、重点の4点目にある夕暮れ時は、通勤や通学、買い物などで交通が錯綜する時間帯となり、視認性が低下する時間帯でもありますことから、一日の中で一番多く交通事故が発生しております。運転者の皆様に対しては、自車の存在を認識させるための早めのライト点灯、歩行者の皆様には、通行車両から発見されやすくするための反射材用品の活用等を呼びかけ、交通安全意識の高揚に努めてまいります。

皆様方におかれましては、只今挙げたような現下の交通情勢と本運動の趣旨をご理解いただき、職場や地域における交通安全に関する諸活動を推進していただきますとともに、なお一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。