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トヨタ、燃料電池の触媒「白金」をリアルタイムで観察可能に (1/3)
トヨタは5月18日、一般財団法人 ファインセラミックスセンター(以下、JFCC*)と共同で、燃料電池(FC)の化学反応を促進する触媒として不可欠な「白金」の反応性低下(いわゆる劣化)に至る挙動をリアルタイムで観察できる新たな手法の開発に成功したと発表しました。

これは、トヨタとJFCCの共同研究グループが、観察・分析用の「透過型電子顕微鏡」の中でFCスタックと同じ発電状態を模擬できる新しい観察用サンプルの作成に成功し、数ナノメートル(nm : 10億分の1メートル)程度の「白金微粒子」のレベルで、反応性低下に至る挙動プロセスの観察を可能としたものです。

「白金」の反応性低下は、「白金微粒子」の粗大化に起因することは知られています。しかしこれまでの観察手法では、粗大化に至るプロセスをリアルタイムで把握することができず、粗大化の要因を解析することは困難とされていました。

トヨタでは「今後は、今回開発した観察手法により、粗大化の要因として、「白金微粒子」の担体(土台)となるカーボン上で粗大化に至る挙動を引き起こす箇所やその時の電圧、さらには、担体の材料の種類によるそれらの違いなどが明らかになり、反応性低下のメカニズムを解析し、FCに不可欠な触媒である「白金」の性能・耐久性向上のための研究・開発指針が得られる」と考えているようです。

今回の観察手法の研究に取り組んだ経緯と、新たに開発した観察手法の特徴は、以下のとおり。