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BASF、フォードと炭素繊維強化材を使った自動車部品を開発
BASF は5月25日、米国エネルギー省(DOE)のマルチマテリアル軽量車体(MMLV)実証試験事業の一環として、最新の駆動装置用複合部品の開発を目的としたフォード・モーター、およびモンタプラストとの提携を発表しました。

エンジンカバーと構造用オイルパンを、炭素長繊維(LCF)ポリアミド複合材に置き換えることを目的にチームが取り組んだ結果、1 エンジンあたり約 4 ポンド(約 1.8 kg)の軽量化を可能にする LCF 部品の試作品が完成しました。部品ごとでは、フロントエンジンカバーの 23%、構造用オイルパンの 33% の重量を削減することができたとしています。

「炭素繊維のような最新の複合材を扱う上で、デザインや加工に関する新たな技術的課題が見えてきました」と BASF コーポレーション(米国)のパワートレイン マーケティング・マネージャー スコット・シュリッカーは述べています。「現在、そして将来的な課題を解決するため、私たちは新たな軽量素材や軽量化技術に数多く取り組んでいます。フォードとの提携により、これらのソリューションを前進させることができました。」

BASF は合同チームと緊密に連携して有限要素解析(FEA)を実施し、性能と重量の両面で部品の構造的な最適化を行いました。さらに、BASF は 新たな LCFPA66 熱可塑性樹脂複合材である Ultramid® XA-3370 を開発し、機械特性と加工性の最適なバランスを生み出すことに成功したそうです。

また、試作部品の成形品質を保つため、加工および機械設備のサポートも行いました。一方、複合材の射出成形において専門性と経験を持つモンタプラストは、機能構築と概念実証に向けた成型部品を製作しました。

「このチームの一員であることを大変嬉しく思っています。最新の熱可塑性樹脂製品の応用に挑み、お客様のニーズにお応えするソリューションを見い出してこそ、モンタプラストです」とモンタプラスト副社長のデイヴ・バーネット氏は述べています。

MMLV 事業に使用される成形部品については、実際の車両内負荷シミュレーション試験を経て性能の評価を行い、その結果と BASF により事前検討されたコンピューター・シミュレーション解析結果との相関をとる予定です。合同チームは、追加部品や機能を統合し、製造工程を簡素化することで、これらの部品の価値が高まることを期待しています。

BASF が自動車産業で推進する化学によるイノベーションについての詳細は、 www.automotive.basf.com をご覧ください。