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日立ソリューションズ、原価企画パッケージを構築
日立ソリューションズは6月25日、四輪車および二輪車の鍵や錠、安全に関わる製品を製造・販売しているホンダロックの原価企画業務をサポートするシステムを原価企画パッケージ「CostProducer」で構築しました。

同社によるとこのシステムは、2015年4月から稼働しており、目標原価の精度向上、目標原価を達成するためのPDCAサイクル実践によって、ホンダロックの戦略的なコストマネジメントを支援していくとのことです。

近年、自動車産業のグローバル化や製品ライフサイクルの短縮化が進み価格競争が激化する中、部品メーカー各社には、戦略的なコストマネジメントが求められています。市場で競争力のある販売価格の設定と目標利益の確保を実現するためには、単なる関係部門から収集したコストの積上げではなく、目標利益に基づく目標原価達成のためのPDCAサイクルを部門横断的に実践することが重要となります。

これまでホンダロックでは、原価企画に必要なデータを各部門の担当者から収集し、表計算ソフトウェアで集計してきましたが、グローバル化に伴う国際分業下において、コスト積算基準の統一、部門間調整の効率化、見積回答のスピード化と受注獲得に向けた戦略的販売価格設定が課題となりました。これらの課題を解決し、グローバル市場における競争力の更なる強化を実現するための業務基盤として原価企画システムが必要となりました。

このような背景の下、ホンダロックは、これまで日立ソリューションズが培ってきた、数多くの製造業の原価企画に関するノウハウが凝縮されていることや、事業の採算を考慮してPDCAサイクルを回しながら目標原価を達成していく仕組み、部品表(BOM)の構成要素ごとにさまざまな視点から原価を見直すことができる仕組みなどを評価して、日立ソリューションズの原価企画パッケージ「CostProducer」を採用しました。

同社は「ホンダロックの『CostProducer』を利用した原価企画システムは、2015年4月から稼働しており、各部門からの入力データの収集や集計、調整にかかる作業の効率化や、PDCAサイクルを回しながら調達先、部材、製造工程などのスピーディな見直しを行う機能などによって、目標原価の達成と市場で競争力のある販売価格の設定を支援しています。」とコメントしています。

■ 原価企画パッケージ「CostProducer」の特長
1.業務の効率化と標準化
 各部門からの入力データを原価企画データベースで一元管理し、原価企画の業務基盤として活用することによってデータの収集や集計作業の効率化、目標原価の精度向上、業務プロセスの標準化を実現します。
2.原価企画業務と見積業務の連動
 原価企画、コストダウン活動の「共有化」、「見える化」によって、市場で競争力のある販売価格のつくり込みと見積もり回答のスピード化を実現します。
3. 原価つくり込み活動のPDCAを実践
 VE(Value Engineering*1)活動テーマの選定、実践、評価といったPDCAサイクルを全社的に実践することによって製品価値の更なる向上を実現します。
*1 最小のコストで製品などの価値を最大にしていくための体系的な手法
 日立ソリューションズは、引き続き、ホンダロックの本システムの米国や中国の拠点での導入開始や、国内外の生産拠点間のBOMとの連携など、製造業全般にかかるシステム提案なども積極的に実施していく予定です