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いすゞ、大型路線バス「エルガ」を全面改良
いすゞ自動車(以下「いすゞ」)は8月18日、大型路線バス「エルガ」を15年ぶりにフルモデルチェンジし、同日より全国一斉に発売しました。

優先席を前向きにし、伝い歩き棒を新設しました。また、反転式スロープ板の採用により、車いす乗降の簡易化および時間の短縮を図りました。作業を省力化する、巻き取り式ベルトによる新たな車いす固定装置を採用しました。

床をフラットにするため、左前タイヤハウス上部へ燃料タンクを移設しました。これにより、優先席を前向きにすることができ、ノンステップエリアが拡大されました。それに伴い、乗車定員数も増加しました。

新しい外観デザイン・ニューフェイスになりました。ディスチャージヘッドランプを採用することで視認性を向上しました。

全長は変更せず、ホイールベースを延長することでノンステップエリアを拡大しました。また、フロントオーバーハングおよびリヤオーバーハングの短縮、アプローチ角度およびデパーチャー角度の拡大により、ワンステップ車並みの走破性を確保したとしています。

室内高アップのため、全高を現行ノンステップ車より高く、現行ワンステップ車より低くしたことにより、快適な空間と走破性を確保しました。大量輸送に適した11.1mクラスを新たに設定しました。同社はこれにより、これまでにない広いノンステップエリアを確保したとしています。

室内高アップや側窓エリア拡大によって、同社はより開放的な室内空間の実現を目指しました。客席シートのグリップ幅を拡大しました。また、新デザインの樹脂製シートバックの採用により、軽量化を実現しました。室内灯、車外照射灯など灯火器にLED式ランプを採用したことにより、長期間交換不要で、メンテナンスコスト削減とともに、メンテナンス性も向上させたようです。

軽量コンパクトな250馬力の4HK1-TCSディーゼルエンジンを搭載、2ステージターボにより、全回転域において高効率なターボ効果を発揮し、燃費向上に貢献します。排出ガス後処理装置として、DPDと尿素SCRが採用されました。

重量車モード燃費は平成27年度重量車燃費基準を14トン超車AMTで+10%を達成、14トン超車ATで+5%を達成しました。また、九都県市低公害車指定制度の平成21年基準「優」低公害車に適合させています。

ボディ構造の見直しとエンジンの小排気量化により、車両全体で約600kgの軽量化を図り、燃費性能を向上しました。

トランスミッションは、AMT/ATの2種類を展開されており、AMTではMTベースにもかかわらずクラッチ操作が不要となり、アクセルとブレーキの2ペダルでの運転操作が可能です。またATのようにクリープを利用した微速走行が可能です。AT車の操作パネルに予後診断機能を追加しました。これにより、オイルやフィルターの状態をモニターし、最適な交換時期をサービスインジケーターにより知らせます。

○目標販売台数
年間 600台

○東京地区希望小売価格(消費税込み)
QRG-LV290N1(MT)  26,099,280円
QPG-LV290N1(AMT)  27,157,680円