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トヨタ、米で持続的なモビリティ社会に向けたコンテストを開催
トヨタは11月17日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市で、新しいクルマづくりや楽しみ方につながるビジネスプランを競うイベント「Toyota Onramp 2015*1」(現地11月13日)を開催したことを発表しました。予選イベントにはシリコンバレーのベンチャー企業、起業家などからなる40チーム以上が参加し、予選を通過した10チームが当日の本選に挑みました。

当イベントは昨年に引き続き、オープンイノベーションという手法を取り、業界やトヨタの枠組みや考え方を超えて従来にない新しい知見や発想を幅広く取り入れ、更に革新的な商品・サービスを見出すことを目的としています。昨年12月には、新しいクルマの楽しみ方について外部のアイデアを募るべく、「つながる」クルマのアプリ開発イベントを開催しました。

今年は各参加者が、持続的なモビリティ社会構築に向け、パーソナルモビリティ「TOYOTA i-ROAD」を用いて、サンフランシスコ地区の都市交通システムが抱える課題を解決するためのビジネスプランを提案しました。同地区では人口増加に伴い慢性的に渋滞が発生するとともに、街中で駐車場を見つけることが難しいなど、車両増加に伴う課題を抱えています。

審査の結果、以下の通り3チームが入賞、優勝チームは今後、トヨタと共に提案プランの実現性を検証することになりました。

優勝はJason Weiner氏で、利用者に応じて車両設定を変更し、免許のない学生でも利用できるスクーターモードや、高齢者により充実した移動の機会を提供する電動車モードを設定、様々な層の利用者に移動の自由を提供することを提案しました。Weiner氏は「以前から、自分のクルマへの情熱に技術を組み合わせられるような仕事をしたいと思っており、今回、Toyota Onramp 2015がその機会を与えてくれた。トヨタと共にプランの実現性検証に取り組めることを非常に楽しみに思っており、自分のアイデアが具現化されるかどうか、ぜひ見てみたい」と述べました。

当日の審査には、i-ROADの開発担当主査である谷中壮弘、2016年1月に設立する新会社Toyota Research Institute, Inc.のCEOであるギル・プラット博士らが加わりました。主査の谷中氏は、「今回、シリコンバレーの皆さんのお話を直接伺うことができ、私自身も考え付かなかった様々なアイデアに大変ワクワクした。マシンとの一体感を味わいながら軽快に走行できるi-ROADは、将来の都市交通のあり方を大きく変える可能性を秘めており、今回参加者の皆様にも好意的に受け止めていただいたことに手ごたえを感じている」と述べました。

なお、イベントでは、基調講演のほか、i-ROADや燃料電池車「MIRAI」の試乗会を実施した。トヨタと各参加者が双方向的に交流し、それぞれが持つ知見や意見を積極的に交換する場となりました。