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与党に、地方バス路線維持対策費の拡充などを要望 日本バス協会 (2/2)
 バス関係予算については、地方バス路線維持に必要な地方バス路線維持対策費補助予算と地域公共交通活性化・再生総合事業予算の増額確保を要望した。

 事業仕分けに関するものとして、公共交通支援措置と自動車安全特別会計で実施されてきた自動車運送事業の安全・円滑化等総合対策事業の継続を求め、車両購入費補助に関しては、バス車両購入に対する補助と金融支援を求める代替案を要望した。
 
 税制については、軽油引取税と自動車重量税の暫定税率の撤廃と運輸事業振興助成交付金制度の継続措置を求めた。また、政府が来年度から導入予定の環境税について、新たな税制度の創設は事業者の更なる負担につながり、国民や産業界の十分な理解と納得も得られていないとして反対の方針であることを明らかにした。
 
 今夏の衆院選で与党がマニフェストに盛り込んだ高速道路の無料化については反対。09年4月から始まった休日のETC1000円割引についても早期廃止を要望した。理由として、高速道路無料化の実施はこれまで以上に高速道路の混雑を引き起こし、将来的なバス事業の存続さえもが危ぶまれる可能性があることを挙げた。 
 
 経済対策に関する要望の中では、政府が平成21年度補正予算に盛り込んだ環境対応車(エコカー)への買い換えや購入に対する補助制度に触れ、事業用自動車を対象とした本制度の継続を求めた。理由としては、事業用自動車に関する申請額が予想以上に多く、当初の補正予算額で対応できなくなったことにより、バス事業者が車両更新計画の見直しや中止を迫られている事態を指摘した。 
 
 日本バス協会が与党にバス事業などに関わる措置を求める要望書を提出した背景としては昨年末から依然として続く厳しい経済状況と高速道路割引などによるバス利用者の減少。また、民主党政権が無駄の洗い出しを大々的に打ち出しているため、今後、国から地方に対するバス事業に関連する交付金の廃止や見直しが更に行われるのではという不安とバス事業や路線の廃止、縮小に迫られるのではないかと懸念するバス事業者らがいるものとみられる。