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改正タクシー特別措置法に基づいて適正化と活性化を 近畿運輸局
1月21日に近畿運輸局の定例記者会見が行われた。金指和彦・自動車交通部長は冒頭、「就任して半年が経った。輸送の現場では、一つ一つの判断は関係者に直結する非常に重いもの。その都度具体的な解決策を見出す重要性を日々感じている」と就任半年の感想を語った。

改正タクシー特別措置法について、「適正化と活性化を両立して積極的に進めていただきたい。法律の趣旨でもあるが、地域の関係者が協力して、供給過剰の解消を図り、ドライバーの労働環境の改善を通じて安全性利便性の向上を図ることを実現して欲しい」と述べた。また、改正タクシー特別措置法における特定地域指定基準について、企業の総営業収入が加味されていないことに問題がないかと質問を受けると、「供給過剰の他、日車営収を踏まえて指定することになっている。赤字事業者の車両数シェア、営業収入といった要素も加味されている。これらの基準はパブリックコメント等を通じて様々な視点から複合的に策定されたもの。特別措置法に基づいて適正化・活性化を図る必要がある」と見解を述べた。

また、大阪のインターナショナルビジターズタクシーについて、「現在の利用者数は117名で、ドライバーの増加と発信に力を入れている。今後は英語のホームページや宣伝のリーフレットを作り、ツールの整備を進めて展開していく予定。留学生からいろいろな情報を発信してもらう取組みも行っている」と述べ、3月にフォローアップの会議を開いて今後の改善点を議論していくとした。

ライドシェアについては、「提案された自治体には国会議論についての説明を行っている。安全安心が確保できるか、運送責任が果たせる体制かが大事だと伝えている」と述べた。

本田邦彦・監査指導部長からは監査関係について、「監査指導部が抑止力を果たしているのか検証し、従来の監査方法にとらわれず効果的な監査を実施したい。監査結果については、形式的に処分するようなものは含まれていないが、健康診断、適性診断、労働時間の順に違反が多かった。加重案件として未処理は26件。処理済みは18件。未処理案件8件は、裁判や休業等が理由」と報告があった。

10年目を迎える運輸安全マネジメント制度について、「十分に浸透しているかといわれるとまだまだかなというのが率直な感想。ただ、各事業者が努力していることも認識している。今後も行政として浸透定着を図っていきたい」と述べ、今後は経営者・利用者・運転手それぞれが意識して積極的に取り組んで欲しいと訴えた。