自動車ニュース
「安全・安心・快適な交通社会」を目指して
〜春の全国交通安全運動〜
兵庫県警察本部交通部長 出口弘也

自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。

さて、兵庫県内の交通事故情勢でありますが、本年2月末現在の交通事故死者数は27人(昨年同期比−7人)と減少傾向を示しているものの、全国で見ればワースト3位、近畿二府四県では最多となるほか、3月に入ってからも重大事故が続発しており、これから人の移動が多くなる春の行楽期を迎えて、死亡事故の更なる増加が懸念されるところであります。

このような状況下、春の全国交通安全運動が4月6日から15日までの10日間実施されます。

本運動では、次代を担う子供と、交通事故死者数の半数以上を占める高齢者を社会全体で交通事故から守るため、「子供と高齢者の交通事故防止」を運動の基本とし、運動の重点を、
(1)自転車の安全利用の推進 (特に、自転車安全利用五則の周知徹底)
(2)後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
(3)飲酒運転の根絶
(4)夕暮れ時の交通事故防止
としております。

県警察といたしましては、本運動を一つの契機として県民の皆様に交通安全意識を高めていただき、ドライパーの皆様には子供や高齢者の視線に立った「気配り、目配り」と、思いやりを持った優しい運転に心掛けていただくよう呼びかけてまいります。

また、重点の1点目、自転車の安全利用に関しましては、自転車乗用中の事故により死傷した方のうち、約9割に何らかの交通法令違反が認められている状況から、事故防止対策として、「自転車安全利用五則」を活用したルールの周知とマナーの徹底、酒酔い運転などの悪質・危険な自転車利用者に対する指導取締り、道路管理者との連携による自転車レーンなどの通行環境の整備を推進してまいります。

次に、重点の2点目、シートベルト、チャイルドシートの着用に関しましては、昨年、自動車乗車中の交通事故死者のうち半数近くがシートベルト非着用で、そのうち80%の方はシートベルトを着用していれば、死亡に至らなかったと推測されておりますことから、全ての座席におけるシートベルト、チャイルドシートの着用率向上に向けた啓発活動と指導取締りを強化してまいります。

重点の3点目、飲酒運転の根絶につきましては、昨年、交通事故の主たる原因となった運転者の飲酒運転による人身事故は、全国でワ ースト4位となる182件と、飲酒が絡む交通事故が後を絶たないことから、取締りを一層強化するとともに、ハンドルキーパー運動や広報啓発活動の推進を通じて、皆様とともに飲酒運転の追放気運を高めてまいります。

そして、重点の4点目にある夕暮れ時の交通事故防止につきましては、通勤や通学、買い物などで交通が錯綜し、視認性が低下する薄暮時間帯に多くの交通事故が発生しておりますことから、ドライパーの皆様に対しては、自車の存在を周囲に知らせるための早めのライト点灯、歩行者・自転車利用者の皆様には、通行車両から発見されやすくするための反射材用品の活用等を呼びかけてまいります。

皆様方におかれましては、現下の交通情勢と本運動の趣旨をご理解いただき、職場や地域における交通安全の推進に、なお一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。