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ゼロエミッション「キャンター E-CELL」実用供試
三菱ふそうトラック・バスは4月13日、シュトゥットガルト市と物流事業会社ヘルメス社に小型電気トラック「キャンター E-CELL」5台を提供し、1年間の実用供試を開始したことを発表しました。

MFTBCは社会のために排出ガスゼロの車両を提供する目標を掲げて、実際の厳しい走行条件下での実用供試を通じ、FUSOの電気トラック技術を実証しています。シュトゥットガルト市に提供する4台のトラックのうち2台はダンプ仕様で道路および都市景観工事、2台はバン仕様で家財運搬とゴミ収集、また物流事業会社に提供する車両は都市内配送に使用されます。

4月11日にはドイツ・シュトゥットガルトで、お客様への実験車両の引き渡しイベントを実施しました。「現代のディーゼルエンジンは高効率で環境性能に優れているため、長距離輸送で今後も引き続き使用される一方で、都市内短距離輸送において一部の車両を数年以内に電気トラックに移行していくことは技術的・経済的に実現可能です。電気トラック技術のさらなる開発や実用供試を通じ、我々は都市モビリティに貢献していきます」(ダイムラーAG取締役兼トラック・バス部門総責任者:ウォルフガング・ベルンハルト)。

MFTBCはこれまでダイムラーの商用車部門の中で、ハイブリッド技術の開発をリードしてきました。こうした経験を活かし電気トラック開発の責任も担っています。「キャンター E-CELLは実用供試で、環境性と経済性に優れた車両であることが証明されると確信しています。ポルトガルでの試験では、ディーゼルトラックと比較して1万キロの走行で約1千ユーロを削減することができました」(ダイムラー・トラック・アジア総責任者・MFTBC社長・CEO:マーク・リストセーヤ)と述べています。

2015年にはポルトガルで、「キャンター E-CELL」8台の配送実用供試を行いました。電気トラックは短距離輸送や都市内配送に有用であることが1年間の実証結果で明らかになりました。約100キロメートル範囲の配送で航続距離が小型トラックの平均距離を超えました。また運用コストは従来のディーゼルトラックと比べて最大で64%削減することができました。実用供試で使用する「キャンター E-CELL」はポルトガル・トラマガルにある最新鋭の工場で製造されています。50年の歴史を持つ同工場にダイムラーは2011年より累計約2700万ユーロを投資しています。首都リスボンの北西150キロに位置し、敷地面積は3万9,900平方メートルとなっています。300人以上の従業員がFUSOの小型トラック「キャンター」を生産し、そのうち約95%の車両が欧州約30カ国およびイスラエル、モロッコ、トルコに輸出されています。