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平成28年度重点取組事項説明─神戸運輸監理部
4月1日付けで神戸運輸監理部長に就任した秋田務氏の就任会見が21日に行われた。

秋田部長は、大阪大学大学院工学研究科修士課程修了後、昭和56年に運輸省入省、神戸海運局船舶積量測度官に採用され、スペインや上海での海外駐在を経験しながら、海事を中心に技術開発や安全環境などに従事してきた。「30数年ぶりにもう一度神戸に戻ってきて、海事の仕事に携われることが非常に光栄で嬉しく思います。日本はものづくりあってこそだと感じているので、神戸には海事産業を盛り上げてもらいたいと思っています。自分の経験を生かして頑張っていきたい」と、神戸への着任の意気込みを語った。趣味は、お酒に凝っているとのこと。山口県は獺祭の蔵元があり、それを飲んでから日本酒が好きになったと。会見後の懇親会でも、熊本県の日本酒の香露や焼酎の白水を差し入れた。山口県出身。59歳。

続けて、平成28年度重点取組事項の説明が行われた。秋田部長は冒頭、「安心、安全に注力したい。熊本地震で多くの方が被災されています。神戸は阪神淡路大震災の経験がある都市。平成25年から船舶による災害時の旅客輸送の協議会が全国に先がけて立ち上げています。震災の経験を生かし、少しでも災害に強い輸送網ができるように尽力したい。観光面では、海を通じた観光に努力をしたい。来年は神戸が開港して150週年になります。神戸が賑わいのあるウォーターフロントになるよう積極的に取り組みたい。特に、クルーズの振興に力を入れていきます。今年は瀬戸内国際芸術祭が開催されています。神戸が瀬戸内海クルーズの玄関口として活躍できるようにしていきたい。海事については、兵庫県は船舶関係のメーカーの生産高が全国の4分の1のシェアとなっています。ものづくりの大事な場所だと思うので、競争力を持ってやっていけるようにバックアップしたい。人材の問題についても、海事産業はいろいろな面白さがあり、その魅力をわかってもらえるようにいろいろな取り組みをしたい。最後に離島航路については、人口が減少する中で、公共交通機関として離島の方々の足をどう確保するのかが難しい問題です。引き続き航路の維持確保に努めていきたい」と主な取り組みについて説明した。

また、各分野の取り組みについて担当部長からも説明があった。

田中暁・海上安全環境部長は、巨大地震発生に備えた陸上公共交通の代替輸送対策としての旅客船による輸送の推進、船舶の津波避難対策の推進について説明した。また、海上交通の安全確保に向けた取り組みとして、船舶への立ち入り強化や小型船安全対策、ライフジャケット着用推進等の「海上交通監査計画」の実施を報告した。

林広之・企画推進本部長は、神戸開港150周年に向けた「みなとまち神戸」の魅力発信として、外国人緑高客の取り込み方策などを説明。また、クルーズ振興に向けた「瀬戸内クルーズセミナー」の開催や、世界遺産の姫路城を持つ姫路港にクルーズ客船を誘致する支援を行うことを報告した。

川路勉・海事振興部長は、海事関係技能者の中堅・若年層の比率低下や船員不足を受け、造船・舶用業界における人材確保、内航船員の人材確保など、海事人材の確保や技能伝承に向けた取り組みを説明。また、沼島や家島諸島など離島の航路確保や利便性向上への取り組みを報告した。

最後に藤本実・兵庫陸運部長は、軽井沢でのスキーバス転落事故を受け、シートベルトの着用徹底や運転者の運転技術チェック強化など貸切バスの安全確保に向けた取り組みを報告した。