自動車ニュース
マレーシア 2階建てEVバスシステム実証を世界に先駆け実施
NEDOは、マレーシアのプトラジャヤ市において、重量の制約上これまでEV化は困難とされていた大型の2階建て(ダブルデッカー)EVバスシステムの実証を世界に先駆けて実施します。
今回の実証は、2015年度から実施している同市とのEVバスシステム実証事業の中で新たに開始するもので、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化を図るとともに、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指します。
なおNEDOは、同市と新たな実証の実施について協力を進めていくことに合意し、2016年6月3日、基本協定書(MOU)の改訂を行いました。

実証内容
主要な営業路線において、長寿命かつ超急速充電可能な二次電池を搭載したフルサイズ(長さ12m)のEVバスを走行
超急速充電システムを現地に設置
搭載電池の品質、充電状態およびバス運行状況のモニタリングシステム構築

1.概要

マレーシアの行政首都であるプトラジャヤ市は、政府機関が集中しており、都市計画としてグリーンシティを掲げているなど、マレーシアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に向けたEVバスのショーケースとして、最適な都市です。このような背景から、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化を目指して、NEDOは、同市と基本協定書(MOU)を2015年7月に締結し、超急速充電システムや蓄電池の長寿命性能など、EVバスシステムの実証事業(期間:2015〜2019年度)を実施しています。
今般、これまでの実証事業に加えて、重量の制約上EV化は困難とされていた大型の2階建て(ダブルデッカー)EVバスシステムの実証を世界に先駆けて実施します。
ダブルデッカーバスは、道路占有面積・運転手あたりの輸送能力が高いため、マレーシアをはじめASEANなどのアジアの人口過密地域で同バスの導入が進んでいます。しかし、バス車両重量が道路の重量制約上限値に達してしまうことから、これまで同バスのEV化は困難とされてきました。
今回、同市の協力を得て、最適な容量の蓄電池搭載と10分間充電を実現する大電力充電技術により、ディーゼル並みの運行性能を有する大型のダブルデッカーEVバスを開発し、世界に先駆けて同バス2台を用いたEVバスシステムの実証を行います。本実証は、株式会社東芝、株式会社ピューズ、株式会社ハセテック、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルの4社およびマレーシアのバス運行会社であるPAPSB社が共同で行います。
日本の技術を活用し現地企業とも連携しながら、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化を図るとともに、本事業をショーケース化することで、マレーシアがASEANのEVハブとなることに貢献し、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指します。
なおNEDOは、同市と新たな本実証の実施について協力を進めていくことに合意し、2016年6月3日、基本協定書(MOU)の改訂を行いました。