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組合員数拡大に課題も
6月10日、東京・浜松町の世界貿易センタービルディング38階「フォンティーヌ」において、日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(JL連合会)の第22回通常総会が開催された。加盟する119組合中、委任状を含め106組合が出席した。


加藤浩幸会長は冒頭、「今年は任意団体から出発して25周年。経営環境も需給環境も変わった。何かをしなければならないか、いずれも目の前の課題を解決するために提出した議案であり、いずれも前向きに提案している。28年度も組合の皆さまとともに頑張っていきたい」と挨拶。協力を呼びかけた。
その後平成28年熊本地震に関し、組合員等からの募金893万9000円が、加藤会長から九州・沖縄地域本部本部長・西尾史郎氏に手渡された。
議長にはJL連合会副会長・金築勇次氏が選出され、以下7議案について議事を進行した。

第1号議案 平成27年度事業報告および収支決算報告並びに余剰金処分案承認の件
第2号議案 定款の一部改正の件
第3号議案 規約の一部改正の件
第4号議案 平成28年度事業計画案及び収支予算承認の件
第5号議案 平成28年度賦課金の額及び納入方法承認の件
第6号議案 借入金残高の最高限度額設定の件
第7号議案 役員報酬決定の件

第1号議案では昨年度の事業報告と収支報告、余剰金処分などについて議事が行われた。平成27年度のJL連合会全体の取引高は前年度比97.8%の543億円で、過去7年間で2番目の数字となりました。取引件数は89万件で前年度比93%。ネットワーク参加事業者は21減と厳しい数字となった。また平成27年11月に導入した新ネットワークシステム「ローカルネットV4」への移行と同システムで多発した障害などの影響により、年度末の稼働端末数は1605と前年度比11減で終えている。

続く第2号議案では定款の改正について、第3号議案では規約の改正について議事が行われた。定款改正では暴力団排除を目的とした会員資格に関する規定の追加など、規約改正ではネットワークシステムの接続に関する文言の変更などが審議された。

第4号議案では平成28年度の事業計画案と収支予算承認が取り上げられた。平成28年度は「新たな『魅力』の創生〜日本一の物流組織を目指す〜」を活動方針に、「時代の変化に適応した組織運営体制の構築と新たな物流の創造」「JL認証制度とマナーアップ7カ条の推進および組織の拡充・拡大」「安全・環境・災害対策・社会貢献の実践と輸送環境適正化への自助努力と提言」の3つを重点施策として掲げている。他にも、物流業における長時間労働の改善に向けた実証実験の実施や、平車のネットワークの創設、廉価で効率的な次期ネットワークシステムの開発に向けた研究などが盛り込まれた。

第4号議案では、昨年の総会で承認された「組合間手数料の見直し」についての質問、意見が相次いだ。JL連合会傘下の組合員同士が取引を行う際の手数料は従来、仕事を委託した側が組合に5%支払うものだったが、平成29年度は委託側4%、受託側1%となり、平成30年度には委託側2%、受託側1%となる。その後、2年経過後に再検討するとしている。手数料の決定権は理事会にあるため今回は報告のみでしたが、パーセンテージの決定に至る経緯が不透明とする意見や、理事会のトップダウンに反発する声も挙がった。

また第4号事案では各地域本部ごとに組合員の増員目標も定められた。目標数はそれぞれ北海道10、東北16、関東73、東海北陸36、近畿52、中国四国27、九州沖縄23で、合計237となっている。この目標数について、実数とかけ離れすぎているといった意見が複数挙がったが、「達成できるか否かよりも高い目標を掲げることが重要」とする理事会の考えが通った。

第5号から7号までの事案については特に質問・意見等もなく、第1号から7号まで全ての事案が承認された。

議事終了後には、経済産業大臣政務官・星野剛士氏、経済産業省物流企画室室長・野村栄悟氏、国土交通省自動車局局長・藤井直樹氏などが来賓として来場した。その後は懇親会が開かれ、全国中小企業団体中央会・専務理事の高橋晴樹氏の音頭で一同乾杯。親睦を深めた。

昨年の総会は「JL連合会初」(加藤会長)の質問ゼロで終えましたが、今回は第4号議案を中心に活発な発言が相次いだ。物流業の収益力低下がいわれるなか、組合員の真剣な声をどう取り上げ成長に結びつけるか。結果は次回の総会。