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NVIDIA、プラットフォームに新機能追加
NVIDIAは6月29日、国際スーパーコンピューティング会議(ISC16)で、自社のディープラーニング・ソフトウェア・プラットフォームの3つの新機能を追加することを発表しました。

この3つの新機能――NVIDIA DIGITS 4、CUDAディープ・ニューラル・ネットワーク・ライブラリ(cuDNN)5.1、および新しいGPU推論エンジン(GIE)――は、NVIDIAのプラットフォーム上でのソリューション開発を、より容易にする強力なツールとなります。

NVIDIA DIGITS 4では、新しいオブジェクト認識ワークフローが導入されています。データ科学者は、多数の画像の中から顔、歩行者、交通標識、車両などのオブジェクトを検出するようディープ・ニューラル・ネットワークをトレーニングできます。このワークフローにより、衛星画像、防犯・監視、先進運転支援システム、医療診断スクリーニングなど、最先端のディープラーニング・ソリューションが実現します。ディープ・ニューラル・ネットワークをトレーニングする場合、研究者はトレーニング済みのモデルから高い精度を得るため、さまざまなパラメータを何度もチューニングする必要があります。DIGITS 4では、幅広いチューニング・パラメータでニューラル・ネットワークを自動的にトレーニングできるので、最も精度の高いソリューションを導き出すための時間を大幅に短縮できます。

NVIDIA cuDNNは、あらゆる主要ディープラーニング・フレームワークで利用されているディープラーニングに適した、パフォーマンスの高い構成要素を提供します。Version 5.1は、オックスフォード大学のVGGやMicrosoftのResNet(ImageNetの2016年大会で優勝)といった、ディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングを加速します。cuDNNでは、新バージョンがリリースされるたびに前回のバージョンに対するパフォーマンスの向上が行われ、ディープ・ニューラル・ネットワークと機械学習アルゴリズムにおける最新の進歩を加速してきました。

GPU推論エンジン(GIE)は、運用環境向けのパフォーマンスの高いディープラーニング推論ソリューションです。GIEは、トレーニング済みのディープ・ニューラル・ネットワークを最適化して、効率的なランタイムのパフォーマンスを実現します。これにより、現在推論によく使われているCPUのみのシステムと比べ、NVIDIA Tesla M4 GPUで1ワットあたり最大16倍のパフォーマンス向上が得られます。推論タスクを完了するための時間と消費電力は、展開されるディープラーニング・アプリケーションにとって、最も重要な考慮事項の2つです。この2点により、ユーザ・エクスペリエンスの質と、アプリケーションの展開コストの両方が決まります。GIEを使用すると、クラウド・サービス・プロバイダは、高スループットのハイパースケール・データセンター運用環境で、画像やビデオなどのデータをより効率的に処理できるようになります。自動車メーカーや組み込みソリューションのプロバイダは、パフォーマンスの高い強力なニューラル・ネットワーク・モデルを低電力プラットフォームに展開できます。NVIDIA GIEのWebサイトで詳細をご覧ください。

NVIDIAのディープラーニング・プラットフォームは、広範なNVIDIA SDKの一部であり、現代の計算処理において最も重要なテクノロジ(人工知能、バーチャル・リアリティ、並列計算)を1つのプログラムに統合します。これらのソフトウェア・ライブラリ、API、およびツールは、最も人気の高いゲーム・エンジンや、何百ものゲーム・タイトル、GPUアクセラレーテッド・アプリケーションで使用されており、Amazon AWS、IBM Softlayer、Microsoft Azureといったクラウド・プラットフォーム上、そして米国や世界中の最も強力なスーパーコンピュータ上で実行されているアプリケーションやサービスにハイパフォーマンスを提供しています。