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吉川会長、選挙で再選─兵庫県タクシー協会
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)の平成28年度6月通常総会は28日、生田神社会館で開き、平成27年度事業報告、同決算、定款の1部改正(副会長を3名以内から5名以内に、会費未納の取扱い等)を審議、原案どおり承認した。またライドシェアの事業主体が運行責任を負わない点が問題。白タク行為を断固阻止するとする決議を全会一致で採択した。

任期満了となった理事・監事の改選は各支部から選出のあった候補者を全員承認した。新理事による理事会で会長に2人が立候補、選挙の結果、吉川紀興氏が19票、大久保昌彦氏が13票、1名欠席で吉川会長の続投となった。吉川会長は直ちに副会長指名を行ったが、選挙直後とあっていずれも辞退、改めて7月理事会で審議、持ち越しとなった。専務理事には奥篤氏(兵タ協参与)を選任した。

再選を受けた吉川会長は「激動の時と言うかまことに重要な時期に再選を受けたと思う。大久保氏の(会長立候補)所信表明を真摯に受けとめたい。オール兵庫で全員ひとつになって協会運営にあたりたいと思う。票を集めて政治家の力を借りたい。私はあと1期と思っている。」と抱負を述べた。

総会冒頭の会長挨拶で吉川氏はライドシェア問題では「自民党議連、自治体と連携してやる。各市との検討会を作る必要がある。特定地域協議会では適正化と活性化は車の両輪だが、まず適正化から取り組む。そのために預け減車の実施を国交省に申し入れた。運賃問題の初乗り短縮は地域によって一概に言えない。普通車問題などもある。話し合って取り組みたい。乗務員不足も深刻で環境改善が重要。」と4点の重要課題を述べた後「乗務員の質の向上、心のこもった会話の出来る乗務員の育成がなによりだ」と強調した。

議案審議が終了となった後、会員から「会長の挨拶は会長選を見越した所信表明とも受ける。もう一人の大久保候補にも平等を期すため発言の機会を与えるべきだ」と発言があり、大久保昌彦氏が壇上に立ち所信表明した。大久保氏は「業界の地位向上を目指し、時代の流れの速さに対応するため、手続きや決断の迅速化を図りたい。時代の流れに取り残されないスピードアップです」と述べて具体的には特定地域協議会については「議論の加速化。スピード感をもった推進がないとダメだと思う」と。ライドシェア、白タク問題については、「地域自治体からの情報の素早いキャッチ。業界からの積極的な提案がなければならない。(タクシー)事業者が経営的に成り立たないなら行政に対して補助を求めて当然だ」とした。さらに支部役員会の定例化と情報発信の迅速化・共有化、地域によっての初乗り距離短縮運賃の検討、支部サービスセンターの活用拡大(県下拡大)、理事会開催の検討(3カ月1度の)、協会情報の支部整理やタクシー会館の処理問題と移転問題のほか、交通空白地の運行で自治体への助成陳情を挙げた。最後に「今以上協会長の判断力、決断力が求められる」と先送りでなくスピードある対応がなによりと述べた。

来賓祝辞は金指和彦・近運局自動車交通部長、池田典孝・兵庫県警交通企画調査官、井野圭介・兵庫労働局監督課長からあった。

なお、新役員は資料に記載。