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「地元で業界活性化の後押しを」─新自動車交通部長就任会見
7月21日、近畿運輸局において7月8日付けで自動車交通部長に着任した、大辻統氏の就任記者会見が行われた。

抱負として「東京で勤務してきたが、希望がかない地方勤務となり、出身地である大阪に帰ってこれて二重の喜び。期待と、地元のためにしっかり働きたいという使命感を持っている。これまで20年間、タクシーやバス、トラックに全く関わったことがなく、業界については十分にわかっていない。いろいろな話を伺いながら、この業界の課題や今後の方向性を自分なりに探っている。また、交通政策を通じて、国民や地域の利用者の輸送ニーズにしっかりと応え、地域の発展につながればと思う。タクシーは公共交通機関の一翼を担っている。今後の発展を目指していただきたい。私としては、それをしっかり支えていきたい」と決意を述べた。

大阪のタクシーの印象については「業界ははじめてなので、こうだということはないが、私としての一般的なタクシーの認識は、規制緩和以降、参入者が増え、車両数が伸びた。利用する側としては便利だという印象を受けたが、経済状況が悪化する中で、輸送人員が落ち込み、難しい問題が山積している。大阪も同様な環境にあると理解している。厳しい環境に置かれている業界をしっかりと支えていきたい」と述べた。

今後の取り組みについては「特定地域の議論などを前に進めていきたい。大学まで大阪にいたが、近畿2府4県あまり良く知らないと実感している。これを機会に自分の足で行き、地域の現状を見て、今後の取り組みに反映させていきたい。また、タクシー業界は予想以上に高齢化問題が深刻。若手の運転手不足などの課題に対し、魅力ある業界にしていきたい。衰退産業になりつつあると思う。このような課題を解決するためにも、労働条件の改善について行政として後押ししたい。需要の減少する中で、介護タクシーや訪日外国人向けタクシーなどの努力をされている。新たなニーズを掘り起こすことが重要で、我々としても対応していきたい。また、魅力ある業界づくりのために、活性化対策を後押ししていきたい」と述べた。