自動車ニュース
「安全・安心・快適な交通社会」を目指して
秋の全国交通安全運動
兵庫県警察本部交通部長 出口弘也

自動車関係業界の皆様方には、平素より、交通安全対策をはじめ警察行政の各般にわたりまして格別の御支援、御協力を賜っておりますことに対しまして厚くお礼を申し上げます。

さて、県下の交通情勢につきましては、本年8月末現在で、交通事故死者数は91人(速報数)と、昨年同時期に比べ減少しておりますが、そのうち高齢者は依然として全死者の半数以上を占めている状況にあります。

また、自動車乗車中に亡くなられた19人中12人の方がシートベルトを着用されておらず、そのうち10人については、交通事故の状況や車両の損傷状況から「シートベルトを着用していれば死亡には至らなかった」と推測されます。

さらに、飲酒運転による交通事故も後を絶たず、本年7月末現在で、全国ワースト6位となる93件の交通事故が発生し、うち4件は死亡事故となっており、最近では、三宮の中心街で飲酒運転の乗用車が歩行者を巻き込む重大事故も発生しております。

県警察としましては、こうした交通事故の現状を踏まえて、高齢者の交通事故防止や交通事故の際の被害リスクを軽減させるため「シートベルト全席100%」を目指し、交通安全教育や広報啓発、交通指導取締りを強化しております。
とりわけ飲酒運転につきましては、歓楽街等を重点とした取締まりを強化するとともに、ハンドルキーパー運動を積極的に推進するなど、飲酒運転を許さない社会環境づくりに取り組んでいるところであります。

この様な交通情勢の中、本年も9月21日(水)から30日(金)までの10日間、「秋の全国交通安全運動」が実施されます。

この運動は、「子供と高齢者の交通事故防止」を運動の基本とし、

◯夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止
 (特に、反射材用品等の着用の推進及び自転車前照灯の点灯の徹底)
◯後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
◯飲酒運転の根絶
◯早めのライト点灯の推進

を運動の重点としており、その周知を図るため、関係機関・団体と一体となった活動を積極的に展開してまいります。

特に秋から年末にかけては、日没時間と交通が輻輳する時間帯とが重なるため、いわゆる薄暮時の交通事故が増加する傾向にあります。

昨年末には交通事故が続発し、12月16日には2年連続となる「交通死亡事故多発警報」が兵庫県下に発令される事態となったことは記憶に新しいところではありますが、これから年末にかけて多発が懸念される交通事故の防止に向けて、今がまさに正念場であり、県警察といたしましては、この秋の運動こそが交通事故防止対策を強化する絶好の機会と捉え、各種施策を積極的に推進してまいります。

どうか皆様方におかれましても、飲酒運転撲滅気運の醸成、シートベルトの全席着用、そして周囲の交通利用者に自車の存在を早く認識させるための「早めのライト点灯の推進」(点灯推奨時間午後5時)を実践していただくとともに、運転者の方は、夜間、対向車や先行車がいない状況における走行用前照灯(いわゆるハイビーム)の使用を励行していただき、悲惨な交通事故の未然防止に努めていただきますようお願い申し上げます。

また、地域、職域での交通事故防止並びに交通安全意識の向上に努めていただきますとともに、交通安全活動の推進役として、一層の御支援と御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。