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神戸製鋼発荷主でパイロット事業、着荷主は特定できず
第4回トラック事業輸送における取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会(座長=小谷通泰・神戸大学大学院教授)の第4回会議が8月22日、兵ト協総合会館で開かれ、荷主、運送事業とのパイロット事業の概要が事務方より示され、これを承認した。

 当日示されたパイロット事業対象集団は、発荷主は(株)神戸製鋼所高砂製作所、元請運送業者は、神鋼物流(岩佐道秀社長、神戸市中央区)、下請運送会社は三輸貨物自動車(株)(波戸岡俊雄社長、加古川市)と日笠運送(堀部和成社長、高砂市)、着荷主は非特定とした。事業のアドバイザーは日通総研となった。対象集団の選定については、兵庫の場合、所定外労働・拘束時間の実態が金属機械製品製造業に課題が認められること、荷主先での積み卸し作業については、発着とも荷主側で行っておりモデルケース集団と考えられる」と理由を挙げた。

着荷主の非特定については、出席委員からは「一番要の着荷主が分からないのは残念。具体的に何社の協力が可能か」「手待ち時間の一番は着荷主だと思う。引き続き協力を願いたい」「着荷主にもメリットがないと協力は難しいのでは」「モデル的でない方が実態が明らかになる」などの意見があった。

特に兵ト協側委員からは、失望感の表れか「要は悪者になりたくないのだろう。今後の課題。高速道路を使わない理由は軸重との関係で使えないのでは」(福永征秀会長)「(調査されても)自信のある企業は引き受ける。自信のない所は協力しない」(北野穣副会長)「実態との温度差の理解をどう得るか、問題部分を発信していきたい」(坂尾洋南副会長)などの意見が出た。

これに対して事務方(兵庫労働局)は「発荷主の協力を得て着荷主は2〜3社お願いしている。この事業は発荷主、運送、下請と着荷主の1社でもあれば良いとのこと。検討会の中でアドバイザーが聴き取り等で実態を浮き彫りにしていく」とコンサルの手腕に期待した。具体的な内容は第2回検討会以降となり、協議会の対応もその後になりそうだ。

小谷座長は「全国の都道府県に設置した協議会で社会的な事業でもある。まずはパイロット事業の精力的な成果に期待したい」と締めた。