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「変革の年"酉の目"で乗り切ろう」 ─兵庫県新春名刺交換会
兵庫県自動車関係団体主催の新春名刺交換会は6日、神戸市中央区の神戸市勤労会館で開催した。

幹事団体を代表して長尾真・兵庫県バス協会会長は12月10日に死去した日本バス協会会長であった上杉雅彦氏を悼み追悼の辞を述べた後「昨年1月には軽井沢でスキーバスの大きな事故が発生。これによって貸切バス業界・高速バス業界は信頼低下に繋がりました。後の道路運送法の改正によって対策が強化されましたが、その趣旨は遵法意識のない事業者は市場から立ち去れというものであり、内容は貸切バス事業に対して5年ごとの更新を義務付けるものです。また国の監査機能を補完する意味で、民間の指定機関が設置されています。この民間指定機関につきましては私個人と致しましては本当に大きな期待を持っております。バス業界としても民間指定機関とタッグを組んで業界の成熟化に努めていきたいと思っております。また今後の課題として人材確保・シェアリングエコノミー・自動運転の問題があります。人材確保についてはトラック、バス、タクシー業界で乗務員の確保が困難になっています。この状況がどんどん深刻化しており人材の取り合いが始まってしまうという危惧もされていますが、こういったことにならないように今後人材確保に対しての処遇や待遇の改善をしていただきたい。そして女性・外国人等々を受け入れられる職場環境を整えていただけますよう、よろしくお願いします。シェアリングエコノミーについてはコインパーキングなどですでにカーシェアが広まっていますが、ライドシェアは業界団体で一丸となって反対しています。自動運転に関しては、自動車関係団体や業界だけに留まらず社会・人々の生活を大きく変えてしまう力があると認識をしております。ITやIOTの進展に遅れないようにしっかりと内容を把握をし、まずは我々の頭を切り替えることが大事だと思っています。また既存のサービスについても高度化すること、またサービスの内容自体をガラリと変えてしまう事も迫られているのではないかと思います。いずれの問題に対しても自動車関係業界では大きな変化にぶち当たっています。まずは今年一年、大きな事故なく安心・安全な自動車を提供し、『酉の目』を持って、この厳しい流れを乗り切って発展を続けていきたいと思いますので皆さまの支援・ご協力をお願い致します」と挨拶。

来賓あいさつで若林陽介・国土交通省近畿運輸局長は「今年は酉年で変革の年、昨年はリニアの前倒し・新幹線のルートも包括的に決定し、万博への挑戦で関西が上げ潮になってきており、実体経済が明るくなってきているように思います。ただ残念ながら私共運輸業界は地域を支え地域の方々に貢献する作業ですから、景気の良い影響は一番最後、悪い影響は真っ先に来ます。これから明るいシャワーが来るのが今年ではないかと思っています。自動車関連業界は人々の生活を支える足、人々が運転する中でもガソリンスタンドと同時に整備業界がなくてはならない。自動車整備業界は車にとっての町医者なわけです。シェアリングエコノミーに対してわれわれは公として市域の皆さんと協力してきちんとしたサービスを作らないといけない。また、何よりも安全で安心な日本ブランドをきちんと守って、海外からのお客様を数多く迎えて兵庫県の津々浦々まで来ていただければ景気の上昇につながるのではないかと思っている。近畿運輸局、皆様と共に精一杯頑張らせていただきますのでどうかよろしくお願い致します」と述べ、祝辞とした。

中締めは徳野辰夫・近畿陸運協会理事長が「ラグビーワールドカップ仕様ナンバープレートを皮切りに2020年、東京オリンピック、パラリンピック特別仕様ナンバープレートや地方版図柄入りナンバープレートは自動車業界にとって新たに起爆剤になろう」と語って一本締めの音頭で締めた。