自動車ニュース
年頭所感─兵庫県タクシー事業協同組合 理事長 枝松七郎
皆さま、新年、明けましておめでとうございます。

平素は弊組合業務につき、ご協力賜り、厚くお礼を申し上げます。

さて、我が国の経済は、依然として個人消費が低迷しておりますが、有効求人倍率は47都道府県すべてで1倍を超え、新卒採用や女性、高齢者の就業率も上昇しています。また、為替や株価も堅調であり、先行きに明るさが出てまいりました。

特に外国人観光客数は2,000万人を超え、東京、大阪、京都などゴールデンルートだけでなく、そこから少し外れた都市や地域にも大勢の外国人旅行者が訪れるようになってきました。これは兵庫県のタクシー事業者にとって絶好のビジネスチャンスです。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、政府は国家戦略として、さらに外国人観光客を増やしたいと考えています。政府は、日本の経済成長には、「観光立国」の推進が不可欠とみて、訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策を検討する「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)を開いて、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人に増やす新目標を決めています。

弊組合も国土交通省、旅行会社、観光振興団体等とともに「旅客運送事業の今後の展望と成長戦略を反映した企業戦略の在り方」を考える委員会を組成して、種々の業界の課題検討、並びにタクシー配車の増加につながる観光商品の構築を目指して参りました。その結果、弊組合が中心となり、お客さまに神戸ビーフと夜景を満喫して頂けるような商品「港町神戸の夜景観光と神戸ビーフを楽しむタクシーツアー」を実用化しました。「神戸の掬星台、摩耶山に代表される神戸の山からの夜景は、本当にすばらしい」と、私は常々思っております。これに世界に誇れる神戸ビーフの組み合わせは最高に贅沢です。タクシー事業者はこれに合ったとびきりのおもてなしをするように心がけてください。そうすることで神戸の評判は世界に発信され、神戸を訪れる観光客はますます増えるものと期待されます。

また、安倍首相はロボットタクシーの推進を主要施策の一つに掲げています。そのためAI(人口知能)がものすごいスピードで開発されています。

しかし、私はお客さまの思いに寄り添った言葉のやりとり、心の通うおもてなしは、いつの時代になってもロボットには負けないと確信しております。

今後、ますます少子高齢化が進みます。タクシー業界の人手不足問題はすでに大きな課題となっています。私たちの業界でも女性ドライバーの登用や育成、成長が見込まれる介護タクシー分野への進出がますます必要となっていくものと思います。

最後に以上に申し上げた通り、世の中の大きな潮流が変わるときこそ、私たちも阪神タイガースではありませんが、「超変革」を遂げ、英語や中国語などの翻訳システムなど新しい技術・サービスを取り入れて、ぜひ、この絶好の機会を良い方向へ持っていこうではありませんか!

基本は皆さま方の「心のこもったあたたかなサービス」であることに変わりありません。

最後になりましたが、本年も皆さま方にとって、良き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。