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IP・自営無線は一枚岩で!─近無協総会
近畿自動車無線協会(坂本克己会長)の平成29年度定時総会は5月24日、大阪市都島区の太閤園で開かれた。

任期満了となった役員改選は、坂本会長をはじめ池田誠也氏ら全副会長と、山根敬正氏(和歌浦観光)を新理事に選任して、他の現理事の全員を再選した。平成28年度決算は収入2千83万8千余円、支出2千405万7千余円となり、繰越収入を加え、次期繰越は919万8千余円とした。

新年度予算はIP無線移動局1局1カ月50円と、無線共済移動局1局1カ月100円を新たに徴収。各府県活動支援金の還元率を35%から30%に引き下げることを決めて、2千145万7千円が承認された。

総会審議に先立って無線永年勤務成績優秀者への表彰が行われ、蓑津真吾氏(扇タクシー)ら20名が受賞した。

坂本会長はあいさつで規制改革推進会議の答申に触れて「ライドシェアは出ていない。ひとまず良かった」としながらも「”Notteco”(長距離相乗りサービス)と言うものがあり、これは利用者が燃料・高速道路料金を払う事として、役所の通達運用をしようとする動きがある。ひょっとすると蟻の一穴にならぬかと危惧する」。さらに未来投資戦略2017についても注視が必要と力説した。

また「飛んでいる姿は違えどもIP無線も自営無線も配車システムは同じ。一枚岩にならないといけない。まずは近無協が一枚岩の結束をして全国に発信したい。デジタル化は99.9%完了した。無線は近畿が発祥の地。無線と言う”武器”があればUBERなど”外敵”を撃退できる」と協力を求めた。
来賓祝辞で関啓一郎・近畿総合通信局長は「災害時におけるタクシー無線は大変役に立つ。また配車アプリは利便性も高い。今後もネットワークの高度化に向けて支援したい」と祝辞。

大辻統・近畿運輸局自動車交通部長は、去る5月8日開かれた大阪市域交通圏タクシー特定地域協議会で、大阪府からの意見表明を紹介して「地方都市を持つ大阪府はインバウンドを始め、来訪者に対して魅力ある都市創りにはタクシーの役割は極めて重要で、サービス向上は不可欠と表明された。これは地域創生を掲げる自治体のタクシー業界に対する期待の大きさを物語っている。業界に対してアゲインストの風が吹いている今、輸送の安全確保はもとより、利用者ニーズにきめ細かな対応をして、自治体と連携して一体となった取り組みが業界発展の重要な鍵となる」と業界の時宜を得た対応を強く要望した。

役員改選は以下のとおり。