自動車ニュース
【年頭所感】兵庫県警察本部 交通部長 松田 保
 安全・安心・快適な交通社会の実現を目指して

 新年明けましておめでとうございます。
 
 皆様には、ご家族ともども穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 
 平素は、交通安全活動をはじめ警察業務の各般にわたり、深いご理解と温かいご支援を賜っておりますことにつきまして、厚くお礼申し上げます。
 
 さて、昨年の県下の交通事故の発生状況につきましては、人身事故発生件数、死者数及び負傷者数のいずれもが減少をみているところでありますが、交通事故によって、年間200人近くの方が亡くなられ、4万人を超える方が負傷されるなど、依然として厳しい状況にあり、交通事故は、未だ県民生活の安全・安心を脅かす不安要因の一つであると言えるところであります。
 
 特に、本県では、全死者数に占める高齢者の割合が4割を超えており、今後も社会の高齢化に伴い、高齢者が関係する交通事故の増加が懸念されますことから、高齢者の交通事故防止対策が最重要課題であると考えております。
 
 このような情勢の中、昨年6月1日から道路交通法の改正により、75歳以上の運転者の方が免許を更新する際の講習予備検査が導入され、その検査結果に基づいた高齢者講習を行い、高齢運転者が安全に自動車等を運転することを支援するという制度が始まっております。
 
 また、高齢運転者の支援を主たる目的として、昨年10月1日から高速道路における車間距離保持事務違反(いわゆるあおり行為)に係る罰則が引き上げられたほか、本年4月には高齢運転者等専用駐車区間制度に関する規定についても施行が予定されており、高齢者や障害者の方等が運転する普通自動車のみが駐車できる区間が整備されることとなっております。
 
 警察といたしましては、改正道路交通法の周知と円滑な施行に努めているほか、自治体、関係機関・団体と連携した総合的な交通事故防止対策を推進しているところであります。
 特に、高齢運転者による交通事故が増加している現状を踏まえ、「シルバー・ドライバーズ・スクール」等の参加・体験・実践型の交通安全教育を推進しているほか、平成20年10月1日には、関係機関・団体の協力を得て、「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」を設置し、免許を自主的に返納して運転経歴証明書の交付を受けた方に、公共交通機関の運賃割引や商品割引等の優遇措置を講じるなどの支援施策を推進しているところであります。
 
 また、飲酒運転の根絶に向けて、警察として断固とした姿勢で臨み、交通指導取締りを徹底するとともに、広報啓発活動を推進して交通安全意識の高揚に努めているところであります。
 
 現在、社会の様々な場面で規範意識の低下が問題となっておりますが、交通関係・団体の皆様方の交通安全啓発活動は、交通事故の抑止にとどまらず、社会における規範意識の向上、ひいては良好な社会秩序の維持に資するという重要な意義を有するものであります。
 
 どうか、皆様方におかれましても、車社会の一員として、地域に根付いた交通安全意識の高揚に努めていただきますとともに「安全・安心・快適な交通社会の実現」を目指して、今後、なお一層のご尽力とご支援を賜りますようお願いいたします。
 
 最後になりましたが、本年が皆様方にとりまして幸多き年になりますことを心から祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます