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日本工科大学校、自動運転の講義開く
2017年11月24日、日本工科大学校(姫路市兼田)において、「『自動運転』実証実験の現状について」と題した講座が行われた。同校は文科省から委託を受けており、次世代の自動車に関する実践的な知識・技術・技能を身に付ける整備士養成プログラムの開発を行っている。講師には、現在様々な実証実験に取り組んでいる群馬大学・次世代モビリティ社会実装研究センターから小木津副センター長を招いた。

小木津氏は「完全自動運転は従来のクルマの価値を大きく変える」と述べ、自動車メーカーなどが取り組んでいる、運転支援技術から段階的に自動運転へステップアップしていく従来の方法を紹介する一方で、Googleや同大学が取り組んでいる、最初から完全自動運転を前提とした開発の動きを説明した。後者においては、運転する地域を限定することで開発を容易にしている点についても言及された。長距離を移動する車両ではなく、スーパーや病院などに行くための地域の足としてのニーズに応える運用を想定しているようだ。

また、小木津氏は「2020年に無人運転車両の商用化することを目標としている」と述べ、神戸市や札幌市における実証実験を紹介することで、取り組みが加速していることが窺えた。

小木津氏は最後に、「無人運転車両が世間に受け入れられれば、人が運転をする前提である今の車両設計が、そのままである必要はなくなる。それに伴い様々な形状の車両が生まれ、整備のやり方も大きく変わっていくだろう」と展望を語り、「整備の仕組みをいかに上手に構築するかという点は、そのまま安全な運行に直結する」と述べ、「自動運転車両が商用化されれば、どう整備するかについて一緒に考えていただければ」と結んだ。