自動車ニュース
年頭所感─兵庫県警察本部 交通部長 松元美智久
安全・安心・快適な交通社会の実現を目指して

新年明けましておめでとうございます。

皆様には、ご家族ともども穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、旧年中の兵庫県内における交通事故情勢でありますが、一昨年に比べ、人身事故件数、傷者数とも減少しているものの、残念ながら死者数は一昨年を超える状況であり、依然として交通事故死者数のうち半数以上が65歳以上の高齢者が占めており、その多くは歩行中、特に道路横断中に発生しております。

とりわけ、高齢ドライバーによる交通事故が県内でも相次いで発生しており、高齢者の交通事故防止対策が最重要課題となっております。

こうしたことから、交通安全教育や運転免許の自主返納の促進を始め、交通事故の抑止及び被害軽減に効果があると期待されている安全運転サポート車の普及啓発など、新たな交通事故防止対策を講じております。

また、平成19年の道交法改正による厳罰化を契機として、飲酒運転による交通事故件数は減少傾向にはありますが、その一方、県内での飲酒運転による交通死亡事故件数は一昨年より大幅に増加し、多くの尊い命が犠牲となるなど、飲酒運転の根絶は道半ばと言わざるを得ない大変厳しい状況であります。

県警察といたしましては、高齢者の交通事故防止対策を始め、飲酒運転根絶に向けた取組の推進や全ての座席のシートベルト・チャイルドシートの正しい着用の徹底、悪質・危険な自転車運転者の指導取締り等、交通情勢を取り巻く諸問題に的確に対応するとともに、夜間等における交通事故対策として、歩行者等に対しては夜光反射材用品等活用の普及啓発、運転者に対しては早めのライト点灯とハイビームの適切な使用についても広報啓発活動を推進してまいります。

皆様方には、全席シートベルトの着用の徹底をはじめとした交通ルールを遵守していただき、高齢歩行者などに対する思いやりを持った優しい運転など、安全運転に努めていただきますようお願い申し上げます。

また、職場や地域、ご家庭で交通安全について話し合い、交通安全意識の高揚に努めていただくなど、「安全・安心・快適な交通社会の実現」に向けてご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

結びになりますが、本年が皆様方にとりまして幸多き年になりますことを心から祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。