自動車ニュース
年頭所感─一般社団法人兵庫県整備振興会 会長 橋本一豊
新年明けましておめでとうございます。平成30年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

最近の我が国の経済は、中小企業対策や地方に於いてもアベノミクス「新・三本の矢」に沿った一億総活躍社会の実現に向け、地方創生、国土強靭化、女性の活躍も含め、あらゆる政策を総動員することにより、経済の好循環を確かなものとすることが期待され緩やかな回復基調が続き景気拡大期間は戦後2番目の長さになりました。

自動車については、総保有台数は微増の状況ですが、これから進む超高齢化社会に際し、交通事故防止に繋がる電子制御装置を搭載した「サポカー」という愛称をつけた安全運転支援システムを装備した車両や燃費の良い小型車や軽自動車への移行が進んでおり、自動車保有構造が変化しています。

このような自動車整備業界を取り巻く状況にあって、当会正会員数は昨年度末、新規入会数を脱会数が上回りました。これらの要因としては、クルマの進化に伴う新機構の習得や若者労働者の人材確保、また事業承継への対応が難しくなっている事などが考えられ、整備業界を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあり、直近の自動車分解整備業の実態調査結果(自動車整備白書)によると総整備売上高が平成18年度をピークとした緩やかな減少傾向が続いています。

このため、自動車整備業のビジョン2にも示されている、整備技術力の強化、CS向上による入庫や売り上げの拡大、職場環境や待遇改善により若手労働者の人材を確保し、健全な経営の実践等を強力に推進することにより、厳しい経営環境や状況の変化に対応できる業界となることが求められています。

このような転換期にあたり、当会は平成30年においても将来に向かっての持続的な繁栄を目指し、業界全体の活性化と経営基盤の確立を推進するための以下の諸事業を実施し、自動車のユーザーが常に安全で快適にクルマをお使いいただけるよう、整備事業者と共に社会的役割をはたしつつ、業界全体の更なる発展をめざして取り組んでまいります。

具体的な兵整振の取り組みとしまして、整備要員の確保については、「兵庫県自動車整備人材確保・育成連絡会」を軸として、本年は、高校生を対象に「インターンシップ」に積極的に取り組み、学校訪問、出前授業の実施や自動車整備士職業紹介フェア等の開催に取り組みます。また引き続き「トライやるウィーク」を通じ中学生にもその対象を広げて取り組みます。

次に、急進する車両の電子制御化による新技術への対応については、汎用型スキャンツールの活用や故障診断料金の収受に向け積極的に取り組み、本年も「スキャンツール基本研修・応用研修」や更に高度な「スキャンツールステップアップ研修」を実施し、自動運転と電動化時代への対応に備えた技術力向上等に努めます。

さらに、ユーザーの保守管理意識が希薄化している現状に対し定期点検の必要性をご理解いただける様、視聴覚教材の充実を図ると共に、点検教室では、クルマの安全教室を開催するなど、各支部や会員のご支援ご協力を頂き積極的に実施してまいります。

また、兵整商の運営につきましては、オイルなどの工場用品、作業服をはじめ、最近では、検査機器設備類の購入も増加しており深く感謝いたしております。これからも「商工祭」などを企画し、組合員の皆様の経済活動の活性化をし、引き続き品質の高い商品の供給、また各種斡旋事業、指導・教育事業を積極的に推進してまいります。本年も業界を取り巻く諸環境を踏まえ、将来に向けての新たな経営基盤の確立や継続的な業界繁栄、自動車整備業の社会的地位の向上のための諸事業を積極的に企画し、頼られる兵整振・兵整商に発展するよう事業展開してまいりたいと存じます。

新しい年が皆様にとりまして良き年となりますようにご祈念申上げます。