自動車ニュース
【年頭所感】(社)兵庫県タクシー協会 会長 松本 奈良雄 (2/2)
 まず、運賃問題については、タクシーが公共交通機関であることを基本認識として捉えると、利用者にとっては同一地域同一運賃が最も相応しい運賃制度であることから、その制度化を目指して積極的に取り組みを進めてまいります。
 
 輸送の安全確保については、道路交通法の遵守と多発する事故の防止、特に飲酒運転の防止に関しては、乗務員に対する指導と運行管理の徹底を行うとともに、経営トップから現場まで一丸となって安全管理体制の構築のために運輸」安全マネジメントの取り組みを更に推進するとともに、法令遵守を基本に置いた事業経営になお一層努めます。そのためにも、事業者研修会・
勉強会を開催し、法令遵守による事業経営の徹底を図ります。また、乗務員の労働条件を取り巻く環境が一段と厳しくなっていることから、労働基準法、改善基準告示、高年令者雇用安定法及び労働安全衛生法に基づくタクシー事業経営を実施していかなければなりません。
 
 現在各地域で実施されているコミュティバス、乗合タクシー、市町村バス、NPOによるボランティア有償運送また自動車運転代行業務については、タクシー利用者が年々減少する状況のもとで、タクシー業界にとって深刻な問題となっています。各会員の皆様におかれましては、地方公共団体、事業者、住民、地方運輸局等で構成されている地域交通会議等に参加し、地域住民の生活交通確保のための協議において、公共交通機関としてのタクシーの役割に関して地域住民・自治体のご理解が頂けるように取り組んでいく必要があります。協会といたしましても、地域における生活交通確保の問題について、会員の皆様と取り組んでまいります。
 
 タクシー乗務員の利用者サービスと接客マナーについては、平成19年から毎年「タクシー乗務員接客コンテスト」を実施し社会的に大きな評価を受けているところですが、本年におきましても本コンテストを実施し、兵庫県におけるタクシー乗務員の利用者サービス・接客マナー向上の大きな力になるように取り組みを進めてまいります。また、神戸市をはじめとする自治体等から、近距離旅客である場合等の運転者の対応について厳しいご指摘をいただいていますが、本年におきましても、利用者サービス・接客マナーの向上に関して乗務員研修を実施するとともに各事業者の管理職を対象とした研修会を開催いたします。特に、近距離旅客に対する対応については、タクシーの公共交通機関としての使命と自覚の促進とタクシー需要の掘り起こしの取り組みであることを自覚し、今後とも利用者からの様々なご意見・要望に耳を傾けて取り組んでまいります。
 
 神戸空港におけるタクシー利用については、空港利用客のタクシー需要に十分応じられるだけの体制構築を行ったものの、タクシー利用者は当初予定されていた需要よりも大幅に下回っています。本年も厳しい状況になることが予測されますが、今後とも、タクシー利用者の増加を目指して関係機関との協議を引き続き行うとともに、協会内においても検討を行ってまいります。
 
 タクシー運転者の登録制度については、タクシーの安全性・サービスの質の確保・向上を目的とするものですがタクシー事業の発展につながるように、協会といたしましても行政当局に要請を行うなど取り組みを行ってまいります。
 
 観光推進に対する取り組みについては、昨年、JRのデスティネーションキャンペーンに合わせて兵庫県をはじめとする各自治体等において大型観光交流キャンペーンが展開され、当協会におきましても、「駅から観タクン」 の取り組みを行いましたが、本年においても、観光客の様々なニーズに対応したご利用し易いタクシーを目指して取り組んでまいります。
 
 以上、協会として取り組まなければならない主な課題を述べさせていただきましたが、本年も各種委員会の活動を基本として、タクシー事業の発展と利用者利便の向上を目指して取り組んでまいります。
 
 最後に、会員各位の益々のご健勝と事業のご発展をご祈念申し上げますとともに、関係各位の深いご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげまして、年頭にあたってのご挨拶と致します。