自動車ニュース
【年頭所感】兵庫県タクシー事業協同組合 理事長 橘 信一郎 (1/2)
 会社の体質を根本から改め『チャンジ』で『景気交替』を

 新年おめでとうございます。
 
 平成22年の新春を迎えるにあたりまして、一言、ご挨拶を申しあげます。

 昨年は、政治体制が激変した一年でありました。アメリカのオバマ大統領が “チェンジ、チェンジ”の熱い言葉を投げかけて、大統領選挙で共和党に圧勝し、大統領に就任いたしました。

 このアメリカのチェンジ熱風が日本にも強く吹きつけたことが一因となったのか、昨年8月の衆議員選挙で、民主党が自民党に圧勝して第一党となり、政権を担うことになりました。新しい鳩山政権はまだ生れたばかり、次々と旧政権とは違う色合いをだして、新しい政策に着手しておりますが、今後、私共のタクシー業界にどの様に反映されるのか、じっくりと見極めていかなくてはなりません。

 いま、タクシー業界は大変な事態にあります。私共、兵協の多くの事業所の所在地である神戸、阪神間地区は昨年1月21日に運賃改正を実現いたしました。この度の運賃改正は従来と異なり、初乗り運賃660円、加算運賃80円には手を付けず、初乗りの距離を2kmから1.8kmに、加算距離を296mから259mに短縮いたしました。運賃そのものは変えずに、距離に目を向けたのです。

 この方策が正鵠を射たことになり、運賃改正に伴うお客様の乗り控えを抑えることができました。しかし、タクシーを取り巻く環境は悪化の一途をたどっております。昨年のアメリカ発の大不況が、いまだに日本に大きな影響を与えており、いまではデフレスパイラルの奈落の底に吸い込まれていく状況にあります。こうした悪環境なか、さらに、ドル安、円高の恐怖が我々を待ち受けています。

 もし、運賃改定が実現していなかったら、もし、東京のように初乗り710円運賃になっていればどうなったか、いま思っても脇の下に冷汗が流れてきます。