自動車ニュース
【年頭所感】(社)兵庫県トラック協会 会長 福永 征秀 (2/2)
 第一に、適正化事業の推進であります。

 荷主ニーズの多様化・高度化、輸送の安全や環境対策など社会的要請の高まりに答える中で、安全で良質な輸送サービスを通じて、トラック輸送の信頼を確かなものとするため、昨秋、全ト協が示したトラック事業における総合安全プラン2009に基づき、事業者に対する巡回指導や運輸安全マネジメントの積極的な導入、更に安全性評価事業(Gマーク)の取得・啓発な どにより秩序ある競争の実現を図るとともに、荷主企業との適正な取引の維持の向け積極的な啓発・広報活動を推進して参ります。

 第二に、環境対策です。  近年、環境対策は人類共通の重大かつ緊急な課題であります。私どもトラック運送業界にとりましても、環境問題は、社会と共生していく上でも最も重要な課題の一つであります。
特に、地球温暖化対策・CO2削減問題は、我々人類が直面している重大な問題です。全世界の温室効果ガス排出量の大部分は、石油等の化石資源に由来する燃料の燃焼に伴う二酸化炭素(CO2)の排出で占められています。日本の部門別CO2排出量では、運輸部門は全体の約20%であり、その約9割が自動車です。これらのことから、トラック業界では、CNG車などの低公害車や最新排ガス規制適合車の導入促進、エコ・ドライブやアイドリング・ストップの励行ほか、環境改善のための効果的な施策を積極的に推進するとともに、関係機関と連携しながら適切な措置を講じてまいります。

 また、トラック運送事業者が取り組み容易な「グリーン経営」について、その認証取得を積極的に推進してまいります。

 第三は、交通事故防止・労働災害防止等の安全対策であります。
交通事故や労働災害を防止することは、トラック運送業界に課せられた重要な使命の一つであり、環境問題とともに社会的規制の両輪といわれほど重要な課題であります。

 特に交通事故は、人的・物的両面での損害をもたらすばかりでなく、社会的にも深刻な問題となることは明白であり、交通事故防止のためには、過労運転・速度超過・過積載運行・積荷の固縛不足など事故誘発の原因となる事項の排除が必須であります。

 したがいまして、我々トラック運送業界挙げて、交通事故並びに労働災害防止運動を積極的に展開し、事業者の皆様方各々が運行・整備・健康など様々な管理を万全なものとし、究極の目標である「事故ゼロ」を推進することが、社会と共生していくために重要かつ最善の策であると確信しております。
 
 この対策として、「運輸安全マネジメント」制度が創設され、代表者が安全に関する意識を明確に持ったうえでトップダウンにより、全社をあげて取り組むことが義務化されましたので、兵庫県トラック協会といたしましても、この徹底を図ってまいります。    
私どもトラック運送業界では、様々な規制と経済不況に伴う非常に不安定な状況下で、業界が抱える多くの重要な課題を一つずつ確実に改善し、解決して参りたいと存じます。
 
 つきましては、トラック運送業界が我が国の生産活動並びに国民の暮らしに欠くことの出来ない基幹産業であることをご認識いただき、業界の確固たる基盤を確立した上で、堅実に発展していくために、会員事業者皆様の深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。