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吉川会長再選 「消費増税を控え、この1年が勝負」ー兵タ協
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は6月28日、生田神社会館で平成30年6月通常総会を開き、平成29年度事業報告、同財務諸表について審議、原案どおり承認した。また、任期満了にともない理事および監事の選任が行われ、吉川会長(西神交通)、信原智彦副会長(荒井タクシー)、平尾文一副会長(神戸相互タクシー)、五十嵐一俊副会長(和光タクシー)、奥専務理事(兵タ協)らを再選した。

吉川会長は冒頭あいさつで「乗務員不足や高齢化の中で、稼働率については年々下がり、65%を切るような状況で、総営収も低下している。燃料価格や社会保険料の上昇などさまざまな問題があり、60%に近づいていっている」と厳しい状況について述べた。養父市でスタートした「やぶくる」について触れ、「NPO法人を立ち上げ、運行管理と安全管理はタクシー事業者が行うサービスとしてスタートした。2つの交通困難地域限定の実施で、道路運送法に抵触しない形でよく収まった」と会員の協力に謝辞を述べた。淡路島のUberアプリ導入については、「8月ごろ実証実験を行う予定になっている。これが良い方向に行き業界の発展に寄与することを期待している」と期待を寄せる一方で、「ライドシェアが容認されない方向で今後もやっていくが、いろいろな面で自治体と連携して力を合わせる必要がある」と述べ、慎重なかじ取りを求められている。再選にあたっては「もう1期2年、厳しい状況の中で、みなさんが力を合わせやっていかなければならない。消費増税を控えたこの1年が本当の勝負だと思っているので、みなさん頑張りましょう!」と呼びかけた。総会の終わりには「国民の安全を脅かすとともに地方創生の担い手である地域公共交通の存在を危うくする『ライドシェア』と称する白タク行為を断固阻止する決議」を採択した。

閉会で平尾副会長は「適正運賃の実現を最重点施策として取り組みたい」と新執行部の指針を示した。

栗原弥生・近畿運輸局自動車交通部長は来賓祝辞で「神戸市地域問題検討会で、地域課題や利便性の向上に向けて議論が進められているが、さらに議論を深めていただきたい。特に地方部においては、高齢化や人口減少にともない路線バスの減便や撤退が進む中、生活の足の確保が深刻な問題となっている。より一層地方自治体との連携を密にし、公共交通機関としてのタクシーの使命を果たしていただきたい」と求めた。その他の来賓から、中田博・兵庫県警察本部交通部交通企画課調査官、妹尾祐治・兵庫労働局労働基準部安全課長らが祝辞を述べた。