自動車ニュース
神姫バス 代表取締役社長 長尾真氏 インタビュー (2/2)
――赤字路線もバス業界の問題となっています。今後、黒字化は見込めるでしょうか。

イーグルバスさんのような「ハブ&スポーク(拠点)」の考え方はおもしろいと思っています。今ある路線ではなく、コンパクトシティになっていくのであれば、「ハブ&スポーク」で市内は充実させながら編成をし直すことで、赤字路線の黒字化も実現するかもしれません。一方で、既存のお客さまの利便性を損なうことにもなるので、なかなか踏み切れないのが現実です。


――100周年に向けてはどのようなビジョンがありますか?

地方の路線は現状ではもたないと思っています。運転手不足が進むことも予想されます。地域ごとに路線の見直しや充実化を考え、対応をしていく必要があると考えています。MaaS(Mobility as a Service)という観点も持ちながら、いろいろな交通手段を組み合わせていくことも必要でしょう。バス会社としては、今まで培ってきた信用を背景にしつつ、自動運転化することで変わる乗務員への教育や、全体管理やシステム管理など、役割の変化にも対応しなければなりません。
インバウンド対策にも力を入れていきたいと思っています。例えば、大阪・神戸を起点にして山陽地域と四国・高松・松山辺りで鉄道が回れないところを、バスが定期的に運行するようなモデルをつくりたいと思っています。また、兵庫のゴールデンルートである有馬・神戸・城崎・姫路をもう少し分厚くできればと思っています。欧米人向けに、ツアーよりも柔軟でどこでも乗り降り可能な、バスならではのプランも構想しています。
そのためには、兵庫県での基盤をこれからも確固たるものにすること、これは100年経っても一緒です。