自動車ニュース
タクシー変革期 配車はアプリの時代へ  配車アプリ説明会
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は12月18日、生田神社会館で、タクシー事業者向けにタクシー配車アプリ説明会を開いた。説明会では株式会社DeNA(ディー・エヌ・エー、以下DeNA)、DiDiモビリティジャパン株式会社(以下DiDi)、Japan Taxi株式会社(以下Japan Taxi)、みんなのタクシー株式会社(以下、みんなのタクシー)の4社が配車アプリの説明を行った。

経営委員長の鈴木雅司氏は開会にあたり、「先般の理事会にて配車アプリの勉強会をしたいという意見が出て、今回の説明会を開催するに至った。今後は配車アプリが標準仕様になっていく。避けて通れない課題。今日の勉強会を生かしていただきたい」と述べた。

吉川紀興会長は、「(配車アプリは)タクシーとして今後あるべき姿。兵庫県に限った話ではない。来年に向けて、どうあるべきかを協会のみなさまに周知する。どう生き残るかを勉強して欲しい」と述べた。さらに、先月スタートした神戸阪神地区の運賃改定についても触れ、「70%というルールがあるので、早めに申請を出していただくことを会長としてお願いしたい」と会場へ呼びかけた。

4社からは配車アプリの仕組みや導入時に必要な端末、実際の利用方法、決済方法について、それぞれ説明があり、事業者たちは熱心に聞き入った。DeNAは神奈川県での実績を、DiDiモビリティジャパンは海外での実績と外国人ユーザーに対しての優位性を強調した。Japan Taxiは都内でアプリの導入後に無線本数が増加したことや、乗客が自ら決済することなどを強みとして説明を行った。Japan Taxiの代表取締役社長として出席した川鍋一朗氏(全国ハイヤー・タクシー連合会長)は「各社、シェアを取ることが最大の命題。シェアを取った後は値上げをしていくことになると予想される。今だけではなく、3〜5年後を考えて選んでいただきたい。タクシー会社とアプリ会社は手数料を取り合うことになる。親会社がタクシー会社なので、タクシー会社に寄り添う存在でありたい」と話した。みんなのタクシーはタクシー事業者の連合が主体となる事業であることを強調して説明を行った。

質疑応答では、出席者から「アプリの導入は1社に限るのか。例えば2社の配車サービスを利用することができるのか」という質問があり、DeNAとJapan Taxiからは「1社に限定するという決まりはない」という回答があった。DiDiへは「将来、ライドシェアへ転換するのはないか」という厳しい意見が飛んだが、DiDi担当者は「日本のタクシーは世界でナンバーワン 。タクシー配車を通じて世界に発信していきたいという目的」とライドシェアへの転換を否定した。説明会後には、各ブースで機器を実際に使用しての実演が行われた。