自動車ニュース
年頭所感ー兵庫県警察本部 交通部長 松元 美智久
安全・安心・快適な交通社会の実現を目指して

新年明けましておめでとうございます。
皆様には、御家族ともども穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、旧年中の兵庫県内における交通事故情勢につきましては、交通事故件数、傷者数は減少しているものの、交通事故死者数は横ばいで推移している状況で、特徴としましては、高齢者の事故死者数が依然として全体の半数以上を占め、その多くが歩行中、特に道路横断中に被害に遭われています。
この道路横断中の交通事故につきましては、高齢者の方だけではなく年代を問わず被害に遭われており、とりわけ、信号機のない横断歩道を横断中に自動車にはねられて亡くなる交通死亡事故が一昨年から大きく増加しています。
また、飲酒運転につきましては、平成19年の道交法改正による厳罰化を契機として、交通事故件数は減少しておりますが、飲酒運転の取締件数は毎年1,000件を超えており、飲酒運転は悪質・危険な犯罪行為であるという意識が未だ浸透しておらず、飲酒運転の根絶には道半ばと言わざるを得ない大変厳しい状況にあります。 

これらの状況に対し、県警察といたしましては各種対策を講じてまいりましたが、本年も引き続き高齢者の交通事故防止を最重要課題として、高齢者に対する交通安全教育のほか、全てのドライバーに「社会全体で高齢者を交通事故から守る」という気運の醸成に努めてまいります。
また、信号機のない横断歩道上での交通事故防止対策といたしましては、「横断歩道は歩行者優先」という交通ルールが守られていない状況が見受けられることから、横断歩道手前での減速義務や歩行者優先義務を意識付ける広報啓発や取締りを強化するほか、歩行者に対しても正しい横断の仕方について指導等を更に推進してまいります。飲酒運転対策といたしましては、飲酒運転周辺者三罪を含めまして、飲酒運転の更なる取締り強化と飲酒運転根絶気運の醸成を図ってまいります。

加えて、 全ての座席のシー トベルトとチャイルドシー トの正しい着用の徹底、自転車利用者には「自転車は車両」であることの更なる周知に向け、 広報啓発と指導取締りを車の両輪とした対策を推進してまいります。
特に本年は新天皇即位に伴う式典に始まり、 G20サミット並びに本県で も試合が行われるラグビー ワ ールドカップ2019日本大会の開催が予定され ており、 さらに、新天皇即位の日が祝日になることでGWが10連休になる など、 人・車の動きが例年と大きく異なることが予想されます。
県警察では、 安全かつ円滑に諸行事が行われるように交通総量抑制対策 等を実施するほか、 適宜適切な交通規制や早期の広報を行うなど、 県民の 皆様の御理解と御協力を得ながら、 これら交通対策に万全を期する所存で あります。

皆様方には、 職場や地域、 御家庭で交通安全について話し合い、 交通安 全意識の高揚に努めていただくなど、 「安全・安心・快適な交通社会の実 現」に向けて御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

結びになりますが、 本年が皆様方にとりまして幸多き年になりますことを心から祈念いたしまして、 新年の挨拶とさせていただきます。