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地域交通はまちが育てるー地域公共交通活性化シンポジウム (1/2)
近畿運輸局(八木一夫局長)は2月1日、大阪歴史博物館で平成30年度地域公共交通活性化シンポジウムin関西〜地域交通に大切な視点「ズームイン」と「ズームアウト」〜を開催した。

開会挨拶で八木局長は「少子高齢化が進むわが国においては地方の活性化の維持が重要で、交通が果たす役割は大きい。国土交通省でも公共交通の維持・活性化のための交通網の改正・策定の計画を通じて、地域が主体となった再構築を行う仕組みを整えてきた。近畿圏では28圏の地域公共交通網の計画が策定されて、まちづくりと連携した公共交通のネットワークの形成に向けて取り組んでいる。これまでは事業者が頑張ることが中心だったが、自治体や住民、みんなで話し合って公共交通の関係者の輪をつくることが最近の公共交通活性化の流れ。交通圏全体を見据えた交通計画を策定していかなければならない」と述べた。

シンポジウムでは地域公共交通の活性化を事例とした3講演とパネルディスカッションが行われた。「まちをつくり、育てる公共交通の実現に向けて」と題した講演を行った愛媛大学 社会共創学部の松村暢彦教授は、川西市大和地区での活動を例に挙げ、「必要なときに必要な場所で移動に関する情報を提供することが有効」だと述べた。同地区では、モビリティマネジメント教育を小学校の授業に取り入れたり、住民主体の活動にしたりすることで、バス利用者が大幅に増加した。松村氏は、地域住民のまちづくりや公共交通に関わりたいという意識が変化し、それが公共交通利用の増加と存続につながっていくとし、交通を地域で育てていくことが重要だと話した。