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質の高いサービス提供で、消費者の 理解と経営改善を
「神戸・阪神間地区タクシー運賃改定に関する懇談会」を開催
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長) は6月12日、兵庫県タクシー会館で「神戸・阪神間地区タクシー運賃改定に関する懇談会」を開いた。今回の懇談は民間公聴会を目的としており、6月4日に行われた神戸市域交通圏タクシー特定地域協議会に出席できなかった消費者側の意見を吸い上げる場にもなった。地域の消費者団体のほか、行政、労働組合の代表者らも出席した。

はじめに鈴木雅司・兵タク協経営委員長から、運賃改定の趣旨説明があり、「タクシー事業者は、安全・安心・快適で質の高いサービスを提供し続けていく使命を負っている。その中で、最も重要な課題が人材確保。タクシー業界に優秀な人材を迎えしっかりと事業を継続していきたい。これが今回の( 運賃改定) 申請の目的」と語った。

消費者代表の一人として出席した、大上千賀子・明石市消費者協会副会長は、「車内での会話も含めて、楽しく乗れることが大事では。安全安心快適なサービス提供の面でプラスアルファがあると大変嬉しい」、渡邊攝子・神戸市消費者協会理事は、「ドアツードアのサービスは高齢化社会で非常に重要だと思う。運賃の面よりも、利便性や時間の正確さなどの面でもっとPRしてもいいのでは」とそれぞれ意見を述べた。行政の代表者として出席した神山智香・兵庫県県土整備部県土企画局交通政策課主査からも、「今まで利用していなかった層の需要喚起につながれば、良い運賃改定と言える。(個人の経験から) 子育て中に多く利用し、他の交通機関にはないドアツードアの良さを感じた。これを周知できれば利用者も増えるのではないか」と同様の意見が挙がった。

最後に、吉川会長は「今回の運賃改定について、料金の面では大筋で合意いただけたと思う」と述べた一方、「タクシーのサービスは会話無くして成り立たない。そこに温もりがある。現状の経営環境などは非常に苦しいが、いざというときにやはり役立つサービス。また、高齢化・インバウンドなどでますます重要になる」と語り、懇談会でさまざまな意見が挙がったことへの感謝の意と、今後の取り組みへの決意を語った。改定運賃は今年8月下旬ごろに近畿運輸局から発表され、同年10月1日に適用される予定。兵庫県タクシー協会「神戸・阪神間地区タクシー運賃改定に関する懇談会」を開催