自動車ニュース
第9回運行管理者講習会開催
大阪タクシーセンター( 藤原敏正会長)は7月5日、エル・おおさか(大阪府立労働センター)で第9回運行管理者講習会を開催した。「交通事故の発生状況について」と題して、片桐浩・大阪府警交通部交通総務課安全指導・安全教育担当管理官(警視)が、「これからのタクシー業界について〜活性化躍進元年〜」と題して藤原幸嗣・近畿運輸局自動車交通部旅客第二課長が講演した。

講習会の開催にあたり田村充啓・大阪タクシーセンター 専務理事から「最近、気温の変化が多く、熱中症の注意が必要だ。消防庁の報告では、熱中症による救急搬送は前年に比べ10%増となっている。長時間の運転姿勢のストレスもあり、健康面からも事故防止の面からも、こまめな水分補給と休憩を取るように。タクシー業界では24年ぶりとなる大阪地域の運賃改定や優良事業者評価制度創設、新大阪駅タクシー乗り場等のレイアウト見直しなどあり、事業者側、利用者側、すべての関わり合いのある立場のものにとって良い結果を生み出すことを期待している」と挨拶した。

片桐氏は、交通死亡事故の特徴として平成30年までの確定値は、状態別では二輪車乗車中の事故が多く、年齢別では高齢者が全体の約44%。時間帯別は8〜10時、16〜18時、20〜22時、4〜6時が増加しており、道路形状別では、交差点(付近)が全体の約70%となる。令和元年5 月末の速報値は、状態別では、歩行者が多く、年齢別では高齢者が全体の約65%。時間帯別は18〜20時が増加し、道路形状別では、交差点(付近)が全体の約72%と増加している。対策として「横断歩道ハンドサイン運動」や交通安全情報配信サービス「TSN交通安全情報」を行っており、実施・促進を呼びかけた。また同時に特殊詐欺に対して被害防止の協力も呼びかけた。

藤原氏は、これからのタクシー業界について、今年は「活性化躍進元年」とし、安心安全の強化。優良事業者評価制度意識や新大阪駅のりばの見直しによるタクシーサービスの進化。自動車運送事業における運転者確保対策として、業界の取り組みは「イベントを活用した合同説明化実施」、事業者個々は「パートタイムドライバーの採用」や「グループ企業による合同女子会」、「企業主導型保育事業制度を活用した保育施設の設置」をもとめた。また女性タクシー運転者の確保として「女性ドライバー応援企業認定制度」の活用を説明した。

前田純治・シニアライフ サポート協会代表理事は「最近、高齢者による重大事故が多発しており、社会問題化している。事故原因の大きな要因は運転能力の低下と言われている。運送業において、安全面は永遠の課題だ。対策として体操を取り入れ、安心安全な業務に取り組んで頂きたい」と語り。坂口久美子・シーズ 代表理事と取り組んでいる安全な運行と健康な身体を保つノンヨボ体操を披露し、参加者全員が体操して汗を流した。