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【記者の感想】富山LRT 路面電車環状線(セントラム)
 富山市の中心市街地を走る路面電車環状線(セントラム)が37年ぶりに復活し、09年12月23日に開業した。「コンパクトシティ」を掲げる市が高齢化や街のつながり、環境問題への対応などを行う狙いで復活させた。
 
 環状線などの導入にかかる施設の費用は市が負担し電車を富山地方鉄道が運行する路面電車としては初となる上下分離方式を導入。行政(富山市)と民間(富山地方鉄道)が双方の役割をはっきりとした。

 失われつつあるまちとまちとのつながりを取り戻せないか。そういった人々の思いがセントラムの誕生につながったのだという。

 「自動車に乗れないお年寄りや交通弱者の方を支える公共交通機関。自動車だけではなく電車やバスにも乗ることで公共交通が共存し、電車が地域の人々や子どもに愛され、その家族が街の中心地を訪れてくれる中で街のにぎわいを取り戻していくことを目指す」と富山市路面電車推進室の谷口博司室長は力を込め話す。

 セントラム車内での一風景。男の子が「かっこいい電車だ!」と大声を出す。お父さんが笑いながら「環状線だよ」と答える。将来、セントラムが人々に愛され、富山の街がつながっていく。セントラムが地域の絆を取り戻す電車になってほしい。そんな思いを込め電車を降りた。