自動車ニュース
年頭所感─一般社団法人兵庫県タクシー協会 会長 吉川紀興 (2/3)
次にライドシェアーの問題ですが、新経済連盟は、いまだにライドシェアーと称する白タク行為を解禁しようと政府の規制改革推進会議、未来投資会議、国家戦略特区諮問会議、IT総合戦略本部等に対しライドシェアー実施のための法的環境整備について繰り返し繰り返し要望・提案を行っています。

これら提案については、輸送の安全確保、利用者保護と利用者の利便向上等の観点から、タクシー事業の根幹に関わる問題として、国土交通大臣も極めて慎重に検討する必要があるとの考えは一貫しているところであります。ライドシェアー(白タク行為)については、今後の成り行きが全く余談を許さない状況にあり、タクシー業界が一致団結し地方公共団体、労働組合、個人タクシー業界、バス業界とも連携し全力で阻止していく所存です。
当協会は、タクシー事業を取り巻く大きな状況の変化の中で、会員の皆様とともに、「ドア・ツー・ドア」等、タクシーの特性を活かした地域の公共交通機関としての役割を発揮し、タクシー事業の適正化・活性化の実現に向けて全力を挙げて取り組んで参ります。

次に、本年取り組むべき課題ごとに述べさせていただきます。
輸送の安全確保については、道路交通法の遵守と多発する事故の防止、特にスピード違反や飲酒運転の防止に関して、乗務員に対する指導と運行管理の徹底を行うとともに、経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制の構築のために、運輸安全マネジメントの取り組みを更に推進するとともに、法令遵守を基本においた事業経営になお一層努めて参ります。また、毎年参加しております「無事故・無違反チャレンジ100」や「春秋の交通安全週間」に合わせ市民に安全・事故防止を呼びかける「タクシーパレード」も継続実施して参ります。

また、乗務員の労働条件を取り巻く環境が一段と厳しくなっている中、「働き方改革」においては、罰則付きの時間外労働の上限規制が設けられ、運送業については、猶予期間が設けらておりますが、タクシー業界が魅力ある産業として生き残るためには、業界自らも働き方改革に向けた「見える化」対応が求められています。このため。タクシー利用者の利便性の向上、事業経営の効率化に繋がる生産性の向上、若年者や女性を始めとする乗務員の確保・育成等について一層の取組を行うことが重要となっていることから、当協会としても全タク連が策定した「働き方改革に向けたアクションプラン」に沿って積極的に取り組んで参ります。

次に、難産になったタクシー運賃の改定についてです。神戸・阪神間地区及び淡路島地区の運賃改定につきましては、昨年12月13日に公示され、今年2月1日から実施の運びとなりました。こうして運賃改定日が決まった、神戸・阪神間地区及び淡路島地区については、運賃改定による増収分で経営基盤の立て直し、労働条件の改善、活性化対策(インバウンド対策、配車アプリ、決済システムの導入等)等について積極的に進めていくことになります。