自動車ニュース
年頭所感─公益社団法人兵庫県バス協会 会長 長尾真 (1/2)
諸課題にワンチームで
新年、明けましておめでとうございます。
皆様方におかれましては、令和最初の初春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年5月1日に新しい元号「令和」がはじまりました。国内各地で祝賀ムードが高まり、とても喜ばしいことと思っております。我々バス事業者にとりましても、新しい時代を迎えるにあたり、様々な課題がございますが、着実に前進してまいる所存です。

さて、新年のご挨拶にあたり、喫緊の課題を4点皆様にお伝えしたく思います。

まずは、災害への備えです。自然災害はここ数年ますます激甚化の傾向であり、昨年9月は信越および関東・東北を中心にバス車両の水没など、今までは考えられなかった被害を受けている事業者もあります。被害に遭われました方々にはお見舞い申し上げるととともに、一刻も早い復旧・復興を祈念いたします。我々の事業エリアである兵庫県は、南海トラフ地震など自然災害の脅威とは常に隣り合わせであります。我々交通事業者は災害時における緊急輸送対応を求められる立場にある一方で、今回のような事態に巻き込まれる可能性もあります。各事業者におかれましては「備えあれば憂いなし」の精神を再認識し、事前のハザードマップや避難経路の確認、BCPの見直し、具体的な被害を想定した訓練などを確実に行い、不測の事態にいつでも対応できる体制をつくっていただきたく思います。

次は、乗務員不足への対応です。これは全国的な課題ではありますが、ますます深刻な状態に陥っております。都市部・地方部関わらず各地で路線休止や減便が発生しており、交通網の維持そのものが危うい状況となっております。業務の効率化による生産性向上の取組みだけでなく、労働環境の改善が必要であります。労働時間の法制化および上限規制の問題により、ますます厳しくなる傾向ではありますが、事業の根幹に関わる事項ですので、早急な対応が必要です。

3つ目はバリアフリー対応です。本年はオリンピック・パラリンピックの開催年であり、昨年末には関西でも空港リムジンバスの一部でリフト付車両が導入されました。ハード以外にソフト面の充実も求められております。協会としましても、2021年のワールドマスターズゲームズ、世界パラ陸上競技選手権大会、そして2025年の万博を控え、実際に即した対応を順次進めながら、周辺の環境整備についても要請を行っていく必要があると考えております。