自動車ニュース
年頭所感―神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 松崎 義廣 (1/2)
安心、安全な業界の飛躍と活性化に寄与
【はじめに】

新年明けましておめでとうございます。令和2年子年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

昨年の台風15号・19号は豪雨による河川の氾濫を伴い関東、東北地方に甚大な被害をもたらしました。幸い関西方面への上陸は免れましたが、一昨年の台風21号は兵庫県を直撃し、強風と高潮により広範囲に被害が発生したことは記憶に新しいところで、まだまだ復旧過程のところも有ります。
また、南海トラフ地震による津波への備えも必要です。昨年11月5日「世界津波の日」に兵庫県は淡路島及び瀬戸内海に面している市町を中心に一斉避難訓練が実施され7万8千人が参加しました。日ごろからハザードマップを確認するなどさらなる防災意識の向上と、地域、職場での防災・減災対策が重要であると強く認識したところです。

一方、昨年はラグビーワールドカップ2019日本大会が開催され、神戸市御崎公園球技場において、予選4試合が行われ、また、神戸メリケンパークに開設されたファンゾーンでは外国人の応援も含め大いに盛り上がったようです。日本代表も目標であるベスト8進出を成し遂げました。力及ばず南アフリカに惜敗しましたが、「ワンチーム」で戦ってきた成果なのでしょう。
ラグビーワールドカップ2019日本大会開催に合わせ日本初の図柄入りナンバープレートの交付が平成29年4月から始まり、兵庫県下では図柄入りナンバープレート2,449枚、ロゴマーク入り7,668枚が交付されました。

今年は東京オリンピック・パラリンピックの年であります。そして2025年には大阪万博開催が決定しております。兵庫陸運部といたしましては、これらも念頭に置き、安全・安心はもとより、「ワンチーム」で関西のさらなる飛躍・活性化にも寄与してまいりたいと考えております。

【公共交通機関の安全・安心の確保について】

交通の安全を確保し、安心して利用していただくことは、運輸行政の根幹であり、使命です。国土交通省では、交通の安全・安心を確保するために、最大限の努力をおこなってまいります。また、事業用自動車の事故等削減について、「事業用自動車総合安全プラン2020」を策定し、各業態毎に目標設定を行い、世界一安全な輸送サービスの提供の実現を目指し、各施策に取り組んでいるところです。事故発生件数、死者数は減少傾向にありますが、目標を達成するためには更なる事故防止対策の強化が必要であり、引き続き自動車運送事業の安全対策を積極的に推進してまいります。 

自動車運送事業者に対する監査、指導につきましては輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者及び悪質違反、重大事故を引き起こした事業者に対し、優先的に立ち入り監査を実施するなど監査体制の強化を図り、指導や厳正な処分を行ってまいります。

また、関係省庁や関係機関との連携を強化しつつ、街頭監査の実施やより効果的な監査を実施するとともに、運送事業の安全・安心の確保のため、各事業者における運輸安全マネジメントによる安全管理体制の確立など更なる推進に努めてまいります。

【地域公共交通の確保・維持について】

地域公共交通の活性化・再生については、それぞれの地方公共団体や地域に適した公共交通環境の構築・維持を図るため、県内各地方公共団体の首長などとの情報交換や意見交換などを積極的に行うとともに、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」や「地域公共交通確保維持改善事業」などにより、路線バスをはじめとする生活交通の確保・維持・改善に向けた取組をさらに推進してまいります。

また、自家用車の運転に不安を持つ高齢者による運転免許返納が増加するなか、自家用車に依存しない生活環境の整備が求められており、兵庫県内の各市町における地域公共交通会議などを通じて、地域における移動手段の充実に努めてまいります。

併せて、バリアフリー関連につきましては、引き続き、「バリアフリー法」の基本方針に基づくバリアフリー化を推進するとともに、移動に制約のある方々に対する理解の醸成を図る観点から、小中学校などでバリアフリー教室を開催するなど、ハード面だけではない「こころのバリアフリー」を幅広い世代に広めてまいります。