自動車ニュース
年頭所感― 兵庫県警察本部 交通部長 矢野 浩司
安全・安心・快適な交通社会の実現を目指して
新年明けましておめでとうございます。
皆様には、御家族ともども穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

自動車関係業界の皆様におかれましては、コロナ禍においても、交通安全活動をはじめ警察業務の各般にわたり、深い御理解と温かい御支援を賜っておりますことにつきまして、厚く御礼申し上げます。

さて、県内における昨年中の交通事故情勢でありますが、交通事故件数、死傷者数ともに減少しているものの、昼夜を問わず人対車両の交通死亡事故などが相次いで発生するなど、昨年11月末現在で92人の方が亡くなっております。

事故の特徴といたしましては、交通事故死者数の半数以上を65歳以上の高齢者の方が占めているほか、横断歩道で歩行者が犠牲となる交通事故が、後を絶ちません。

日本自動車連盟では「信号機のない横断歩道における一時停止率」の調査結果を毎年公表していますが、兵庫県は一昨年の43.2%から全国で2番目となる57.1%と前年より、13.9ポイント上昇し、全国平均の21.3%を大きく上回る結果となりました。

これは、交通取締りを強化してきたことに加え、皆様方の日頃の啓発活動の賜物であると感謝する次第であります。

しかしながら、歩行者優先を守っていないドライバーが半数近くいるという事実もありますので、県警察では、三田警察署、小野警察署をモデル警察署に指定し、「横断歩道合図運動」と銘打って、歩行者が横断歩道を横断する際、手を挙げてさらにドライバーにアイコンタクトをすることにより、横断する意思表示をして、ドライバーに歩行者優先意識を高めていただき、歩行者が横断歩道を安全に横断できるような取組を実施しているところであります。

交通事故を防止するためにはドライバーや歩行者など、すべての人に安全意識を持っていただく必要があることから、高齢者や子供さんに参加していただく交通安全教室や、県警察公式SNS等を活用して、交通安全に関する動画を投稿し、情報発信することでより一層「横断歩道は歩行者優先」の周知を図る啓発活動をするとともに、交通取締りに取り組んでまいります。

さらに、県警察といたしましては、昨年の事故発生状況を踏まえ、いまだに後を絶たない飲酒運転に対する取締り、全ての座席のシートベルト・チャイルドシートの正しい着用の徹底、悪質・危険な自転車運転者の指導取締り、さらには「あおり運転」等への諸対策を推進してまいります。

皆様方には、職場や地域、御家庭で交通安全について話し合い、交通安全意識の高揚に努めていただくなど、「安全・安心・快適な交通社会の実 現」に向けて御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。結びになりますが、本年が皆様方にとりまして幸多き年になりますことを心から祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。